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八月の狂詩曲 [映画【は行】]

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8月9日は長崎に原爆が落とされた日。
それに合わせての企画だと思うのですが、NHKBS<プレミアムシネマ>で黒澤明監督の『八月の狂騒曲(ラプソディー)』(1991)が放映されたので録画で鑑賞しました。

長崎市から少し離れた山里。
夏休みで田舎の家にやってきた4人の10代の孫たちと、今も原爆に苦しむおばあちゃん(村瀬幸子)のお話です。

おばあちゃんにはハワイに移住した兄がいて、その兄が最近具合が悪いので妹に会いたい、ハワイに来てくれないかと連絡してきているのですが、しかし沢山の兄弟がいたというおばあちゃんにはハワイの兄の記憶が全くないのです。

今ではパイナップル王で大金持ちと聞いたおばあちゃんの娘と息子(つまり孫たちの親)が速攻でハワイに出かけて写真と手紙を送ってきます。
「おばあちゃん、ハワイに一緒に行こうよ」とねだる孫たち、でもおばあちゃんにとってはまったく記憶がない外国の兄のところに行くより、ここで過ごす、4人の可愛い孫と一緒のこの夏の生活が楽しくてしょうがありません。

やがて孫たちはおばあちゃんの記憶を探り始めます。
でもおばあちゃんの記憶から出てくるのは夫であるおじいちゃんが長崎に投下された原爆(ぴか)によって亡くなっていたこと、おばあちゃんの他の兄たちの事、近所に住む同じ原爆で肉親を失った人たち、山の奥の谷に住む河童の話などです。
やがて孫たちはおじいちゃんの勤務先だった小学校にも行って原爆の恐ろしさを体感していきます。

そんな中、ハワイから甥のクラーク(リチャード・ギア)がやってきます。
おじいちゃんが原爆で亡くなったという事を知られるのはまずい、気分を害するんじゃないかと心配する親たち。
アメリカ人は原爆の話が嫌いなはずだといい出します。

でもクラークはおばあちゃんと仲良くなり、おばあちゃんも8月9日のおじいちゃんの命日である原爆忌を終えたらハワイに行って兄に会う決心をしますが、ハワイからクラークの父が亡くなったという電報が届くのです。 

 

原作は芥川賞作家の村田喜代子さんの『鍋の中』を元に映画化したものです。
おばあちゃんの心の鍋の中を覗くと色々なものが入っている、ってことなのかしら。
映画は原作からかなり脚色されているようで戦争色が濃くなっている感じです。

25年前の映画なもんですから大学生役の孫の一人の吉岡秀隆が若い!
そしてなんとリチャード・ギアも出演してる・・・やはりすごく若い!!

原作もですが映画も観たことが無く、ちょっと眠くなるようなのどかな田舎の風景から段々と原爆に対する恐怖や怒りのシーンが織り込まれていき、やがてハワイの兄が亡くなったことを電報で知ったあたりからおばあちゃんの様子はおかしくなってしまいます。

最後のシーンに流れる「野ばら」の曲。
正直、監督がいいたかったことはよくわかんない部分も多いけど、おばあちゃんはラストで清らかに咲く野ばらのような少女の心となって土砂降りの中を傘をさして走る、走る。
そしてそんなばあちゃんを孫が追いかけ、息子と娘が追いかけ・・・。
傘は雨風で反り返り、それどもおばあちゃんはぴかの落ちた長崎に、夫の元へと突っ走る、そんな悲しいシーンで終わる映画でした。とても最後は印象的です。


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ブルックリン [映画【は行】]

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今年のアカデミー賞の作品賞・脚色賞・主演女優賞でノミネート。
残念ながら受賞はありませんでした。

カナダではかなりの興行成績をあげたようですし、英国・オーストラリア・カナダ・アメリカでの映画賞で数々のノミネートや受賞をしています。

日本では公開が遅かったしあまり話題にもなってはいませんが少女の心の中を等身大に描く印象的な映画でした。
原作はコムル・トービンの同名小説
アイルランドイギリス・カナダ合作映画です。

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春に観た映画でモーガン・フリーマン主演の「ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります」っていう映画のレビュー書きました。
ニューヨークのブルックリンに住む老夫婦が、結婚の時に買った古いアパートを売って便利な部屋を探すお話です。
ブルックリンの部屋は人気でかなり高く売れそうでしたが、でも結局思い出のいっぱい詰まった部屋は手放せませんでした。

その舞台でもある〝ブルックリン”はニューヨークではマンハッタンの河を隔てた向こう側、元々は移民が多く暮らす街。
この映画の主人公の少女が海を渡った頃は老夫婦が結婚した時と同時代かもう少し前くらいなのかな?と思います。

「ここは昔はそんなおしゃれな街じゃなかったのになあ」ってモーガン・フリーマンも愛犬に呟いていましたしね。

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時は1951年。
アイルランドに住むエイリシュ(シアーシャ・ロ―ナン)は幼い頃に父親も亡くなっており、病気がちの母と姉と3人暮らしです。
田舎の故郷では仕事もないし、ダンスに行っても誘われるのは美人の親友だけ、内気なエイリシュに声をかける男性もいません。

そんなエイリシュは姉の勧めでアメリカのブルックリンで働くことになります。
知り合いは姉が懇意にする神父さんだけでした。

やがて船で海を渡り、アイルランドから舞台はアメリカへ。

故郷の訛りが抜けないエイリシュ、デパートの店員をしながら見知らぬ都会で寂しさで心が折れそう。
姉に手紙を書くことだけが楽しみでしたが、イタリア人の配管工のトニーと付き合い始めたことがきっかけで都会での暮らしにも徐々に慣れ始め、目標の簿記の資格試験にも無事に合格。

全てが上向きになってきたころ、最愛の姉が亡くなったという知らせを受け取るのです。

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トニーには1か月ほど故郷に戻ると告げて姉のいない実家に帰ると、故郷はそのままでしたが自分を見る周りの眼が変わっていました。

もうエイリシュは内気で冴えない田舎の少女ではありません。
姉が勤めていた会社で経理の仕事もテキパキこなし、アメリカの洗練されたファッションを身に着けすっかり都会的の女性と変わったエイリシュ。
以前はスル―されてた故郷の男性も声をかけてきます。 

実はトニーとアメリカを出る前に結婚届を提出してきていたエイリシュでしたが、母には結婚していることは隠したままです。
母はアイルランドの男性と結婚してほしい様子で、なにかと理由をつけてアメリカに帰るのを延ばさせます。

アメリカに行く前にこんな環境だったら・・・仕事があって、親友もいて、素敵なお金持ちの男性から結婚してほしいと望まれて。
トニーの元に帰らなきゃと思う反面、今の生活も捨てがたいと考え始めるエイリシュ。

彼女が選ぶのはアイルランドなのかブルックリンなのか。

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都会の暮らしと故郷の両方を無意識に天秤にかけているようなエイリシュの姿は女性なら共感できるけど男性が観たらどう思うのかしら。ずるい女なのかな。
ふたりの男性はそれぞれ誠実な人だけにドキドキです。

田舎は美しい自然があるけど煩わしい人間関係もあり、都会では便利な暮らしがあるけど家族との暮らしはない。
そんなエピソードが最初から最後までとっても丁寧に描かれています。
ラストで意地悪な雑貨屋のおばちゃんに放つエイリシュのセリフにも「あーわかる」って思ってしましました。

主演のシアーシャ・ロ―ナンはアメリカ生まれのアイルランド育ち。
ご両親もアイルランド人。
相変わらす青い目は引き込まれそうでかわいい。
主人公の成長と、ファッションも田舎と都会で比べたりで見どころの一つです。
美少女のシアーシャも今回はすっかり大人の女性の雰囲気です。

監督はジョン・クローリー 

 

 


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ヘイトフル・エイト [映画【は行】]

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今回はタランティーノ監督の8回目の監督作品、西部劇。

時代は南北戦争終結後のアメリカ
季節は冬。
雪の中、ワイオミング州の山中で自分の馬が死んでしまったため立往生している男(サミュエル・L・ジャクソン)が近づいてくる駅馬車を止める
その男ウォーレンは賞金風ぎで元北軍少佐だった。

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ウォーレンは3体の賞金首の遺体をレッドロックという町に運ぼうとしていた。
駅馬車の御者オービー(ジェームズ・パークス)は馬車に乗せるには依頼主の許可を取れと言う。

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依頼主とは同じ賞金稼ぎのジョン・ルース(カート・ラッセル)。
デイジー(ジェニファー・ジェイソン・リー)というお尋ね者の女の手首を自分の手首に手錠でつないで乗っている。
この女には賞金が1万ドルかかっているという。
嫌がるルースを説得して馬車に乗り込むウォーレン。

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さらにレッドロックの新保安官のクリス(ウォルトン・ゴギンズ)という男も途中で同乗してくるが、雪はどんどん強くなり馬車は停車場の「ミニーの店」で吹雪を避けることになる。

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しかし、店主のミニーとディブはなぜか不在。

かわりに店にいたのは、
ミニーからしばらく店を任されたというメキシコ人ボブ(デミアン・ビチル)、
レッドロックで絞首刑執行人をしているというイギリス紳士風のオズワルド(ティム・ロス)、
クリスマスで故郷に帰る予定のカウボーイ・ジョー(マイケル・マドセン)、
元南軍の将軍の無口な老人スミザーズ(ブルース・ダーン)。

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偶然吹雪で店に閉じ込められた8人の男女の長い一夜が始まる・・・・。
ってことですが168分でホントに長め。3時間近いです。

前半は馬車の中での会話が多くて人物紹介になっているんですけどとにかく退屈。
ですがそこを超えてミニーの店に集まった男たちが一人、また一人と死んでいくあたりからようやくお話は動き出します。

タランティーノ監督の脚本ですからね、そりゃもうお下品でグロくて差別用語もバンバン。
どこか非現実的ですがとにかく死ぬわ、死ぬわ。

デート・ムービーには向きませんし、そうでなくても一緒にお誘いする方にはエロ、グロ、血しぶきだよとお伝えしてからにしてくださいね、取り扱いにはお気をつけください。
いくらある男を怒らせるためだとしてもこのシーン必要?と思ってしまう、さすがのR18指定。
この映画を観た後にご飯なんか食べたくないと思います。

元南軍対元北軍、白人対黒人、アメリカ人対メキシコ人、盗賊対賞金稼ぎ。
憎しみ合いの要因はたくさん。
ここに集まった男たちが実は意外な知り合いだったりして名探偵コナンテイスト、舞台を観ているような後半。
でもま、コナンみたいな探偵さんがいる訳じゃなく、殺し屋だらけですからすぐにドンパチで片が付きます。
死に方があまりに簡単すぎて謎解きに重みがない感じですけどそれより別の隠し玉が飛び出すので。
これは秘密にしときましょ。

見どころはサミュエル・L・ジャクソンのすごさですね。
バンバン殺してた側が殺されそうになった時の驚きと恐怖の演技でラストはドッキドキ。
タランティーノ映画の常連ですが主演は初とのこと。
『ジャンゴ』の時より今回の方が演技が冴えててすごく楽しそうでした。

サミュエルが今回のアカデミー主演男優賞にノミネートされてたら白人至上主義と言われたアカデミー賞ですけど、ボイコット運動なんかにならなかっただろうにな~とも思いました。 ★★★★

 

この映画の鍵になる女を演じたジェニファー・ジョンソン・リーは助演女優賞候補でしたが受賞はならず。
作曲賞に見事、エンニオ・モリコーネが受賞しました。


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パディントン [映画【は行】]

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ポスターによると「ハリー・ポッターのプロデューサーが贈る全世界300億円超えの大ヒット作!」
って事ですが、2014年の制作映画のようですから日本ではちょっと遅れての上映なんでしょうね。

友人に誘われて観てきました。
パディントン」ってよく見るけどなんのキャラクターなんだっけ?
まったく知らなかったんですけど今回の映画でよくわかりました。

この赤い帽子に青いダッフルコートのクマさんはイギリスの作家マイケル・ボンドの児童文学作品のクマでした。
イギリスでは1958年に出版され、日本では1967年に福音館書店から出版されています。

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ペルーからイギリスに密航船でやって来た赤い帽子の子クマ(声:ベン・ウィショー)。
クマはロンドンのパディントン駅でスーツケースに座って待っていました。

クマは礼儀正しく道行く人に尋ねます。
彼におうちをくれる人がどこかにいるはずなのです。
でも誰も返事をしてくれません。だって彼はクマなんですもの。

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そこに偶然通りかかったブラウン一家。

お父さんのブラウンさん(ヒュー・ボネヴィル)は関わり合いになるのを嫌がりますが
お母さんのブラウン婦人(サリー・ホーキンス)はしばらくクマを家に泊めてあげることにします。

クマ語の名前は発音が誰にもわからなかったので、
座っていた駅の名前と同じ「パディントン」と改名、
ブラウン婦人はぺディントンの為にペルーに昔やってきたという
イギリスの探検家を探しだすことを思いつきます。

パディントンはブラウンさんちでお風呂を壊したり、歯ブラシで耳掃除をしたり、
外に出たら親切心から偶然スリを捕まえて感謝されたり。

問題を抱えたブラウン家の子ども達とも仲良くなっていきます。

いろんな騒動を起こしながら探検家を探すパディントンでしたが、
博物館のはく製師・ミリセント(ニコール・キッドマン)にある日誘拐されてしまいます。

ミリセントはパディントンを前から狙っていたのですが、実はそれには深いわけがありました。 

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誘拐されたパディントンの運命やいかに。
このままはく製にされて博物館に飾られてしまうのでしょうか。

いやいや、そんな訳にはいかないですよね。
ぷぷっと笑うような逃げ方で脱出するんですよ。
それまではパディントンにはちょっと冷たかったブラウンさんや
親戚の家政婦ミセスバード(ジェリー・ウォルターズ)も大活躍です。

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お話は子供向きで予想どおりなのですけど、CGのパディントンはなかなかの可愛さです。
大人も楽しめるほっこりとした笑える映画です。

でもはく製にしちゃうなんて児童文学にしてはちょっと怖いですね。
美しき悪役をニコール・キッドマンが真顔で演じていました。
礼儀正しい英国紳士、パディントン。
でもほんとはペルー出身だったんですね。

マーマレードが大好物のパディントンなんですけど、
イギリスまでの密航中にもマーマレードを食べまくります。
映画のはじめではペルーでの生活が楽しく語られるんですけど、
このマーマレードはすごいハイテクで3頭のクマが瓶詰めしてるんですよ。 

声は最近この名前を聞かないことはないベン・ウィショー。
あんまり子クマ感はないんですけどね。
お母さん役は「ブルージャスミン(13)」でケイト・ブランシェットの妹を演じて
アカデミー助演女優賞にノミネートしたサリー・ホーキンス。 
監督・脚本:ポール・キング  ★★★☆

 


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白鯨との闘い [映画【は行】]

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予告映像から『ジョーズ』みたいな映画を想像していましたが違います。
お話の中盤に賢い白鯨が出てきて人間は一方的にやられてしまいます。

映画の原題は「IN THE HEART OF SEA」。
白鯨をタイトルにした邦題は映画館に来てほしいという配信会社の願いからなんでしょうか。
ちょっと騙された感があります。
内容に触れますのでこれからご覧になる方は読まないでね。

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それはまだ石油が無かったころのアメリカのお話。
灯りには鯨の油が使われていました。

捕鯨船の船乗りは巨大な鯨を捕まえてはその油を絞りとり、 鯨油を船にいっぱいにして帰ってきていました。
その時の収穫次第ですが1年で帰れれば早い方、3年くらいは航海をしていたようです。

1950年、駆け出しの小説家メルヴェル(ベン・ウィショー)は1819年に出航して白鯨と戦って沈没したという捕鯨船の生き残りのマシュー(ブレンダン・グリーソン)を訪ねます。

マシューは最初は嫌がりますが、全財産を払うというメルヴェルに当時の様子を話し始めます。
そこから回想となって老人は14歳の少年(トム・ホランド)へかわり、画面には大海原が広がっていきます。

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捕鯨船エセックス号は育ちも意見も合わない船長ボラード(ベンジャミン・ウォーカー)と一等航海士チェイス(クリス・ヘムズワース)の不和はありましたが最初の鯨を無事に捕獲します。
歓喜する船員たち。
当時の捕鯨の様子がこれでもかとしっかり描写され、かなり生臭い画像が続きます。

でも次の鯨が見つからないエセックス号、船いっぱいの油にしないと帰れません。
鯨を求めてどんどん陸地から離れた海域に乗り出してしまいます。

ついにマッコウクジラの大群が見つかるのですが、鯨の群れのリーダー白鯨に船を破壊されてしまいます。
船を失くした船員たちは3隻のボートで逃げ出します。
でもそこからの漂流は過酷でした。
長い期間の漂流にはわずかな食料と水では足りず、生き残るためには非常な選択が必要でした。

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『ライフ・オブ・パイ』のような漂流シーンが後半は延々と続いて、でも『ライフ…』みたいに都合よくトビウオの大群がやってくるわけではないので、なんでマシューは老人になるまで当時の様子を誰にも話せなかったのか、その真相ががわかっていきます。
死んだ船員の肉を食べ、次はくじで誰かが死んで食料になるかを決める、生き延びるために。

元船員の隠された話を全て聞いた小説家は真実とは違った形で翌年『白鯨』という名作を書き、一方秘密にしてきた事件を誰かに話すことでマシューは過去の罪から解放されるというものでした。

嵐と風、そして襲い掛かる白鯨に船酔いしそうな海の描写、臨場感がありました。
結局、人間は鯨を捕獲しすぎたために鯨がいなくなり、遠くまで出かけたら頭の良い白鯨に返り討ちに合ってしまった・・・。
そんな皮肉にも受け取れる内容でもあります。

やがて石油が見つかり捕鯨の時代は幕は下を下すという時代の変わり目でもありました。 

一等航海士役のクリス・ヘムズワースは『マイティ・ソー』のソー役ですよね。
かなりマッチョですけど撮影は過酷だったと思います。
ほかの役者さんも豪華で、注目は若きマシューを演じるトム・ホランド。
17年公開の新「スパイダーマン」に抜擢されているということです。

ロン・ハワード監督とクリス・ヘムズワース は『ラッシュ/プライドと友情』でも組んでます。 ★★★☆

おまけ。

 


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ブリッジ・オブ・スパイ [映画【は行】]

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私の今年はこの映画から。
スピルバーグ監督とトム・ハンクスの新作です。
しかも脚本はコーエン兄弟という夢の組み合わせ。
これは観なきゃと思っていました。

スパイ映画が多かった昨年でしたが、去年観たどれよりもこの映画が一番現実的なスパイ映画でした。
なんたって実話ですしね。
この映画に出てくるソ連のスパイはとっても地味。
そしてトムはスパイではなく、そのスパイを弁護することになったアメリカ人弁護士役です。

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ジェームス・ドノヴアン(トム・ハンクス)は優秀な弁護士。
時は米ソの冷戦時代。
アベル(マーク・ライランス)という男がソ連側のスパイ活動でCIAに捕まり、たとえ憎き敵国のスパイといえどもちゃんとした弁護士もつけずに裁判するのはアメリカとしてはまずいってことで上から指名されて国選弁護人にさせられてしまいます。

全国民から嫌われ者になることがわかっていますから最初は渋々引き受けるのですけど、弁護を引き受けたからにはきっちりとやる男、ドノヴアン。最善を尽くすのです。

案の定、なんで敵のスパイの肩を持つんだと怒り狂うアメリカ市民からは電車の中では冷たい視線を向けられ、やがて自宅に銃弾まで撃ち込まれることに。家族にまで命の危険が迫るのです。
でもそんな危険にさえも気持ちを曲げず、弁護人を守り切る正義の人がトムにとっても似合います。
そしてアベルとドノヴァンには国を超えた人と人との友情、信頼関係が育っていくんですね、ここもしっかり描かれていきます。

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当然ですがアメリカもソ連にスパイ活動を行っております。
今度はアメリカ人の偵察機パイロットがソ連側に捕まったのでアベルを交換に使おうということになるんですね。

交換の交渉にはアメリカ政府が関わっているのではない、という建前で行うこととなりその任務はドノヴァンに委ねられます。

ベルリンの壁がまさに築かれつつあった東ドイツに交渉に向かうドノヴァン。
当時西ドイツはアメリカが、東ドイツはソ連が支配していたので交換がスムーズだったからです。
ちょうどそこで、別件でアメリカ人学生が東ドイツに連行されてしまうという事件が発生していました。

助け出すのはパイロットだけでいいというアメリカ政府、でも学生も助けたいドノヴァン。
ドノヴァンの鋼の意思で2人の別々のアメリカ人捕虜をソ連と東ドイツから助け出そうとするのですが・・・と映画は後半さらに切迫した状況になってしまうのです。

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東西を分けていたドイツのグリーニッケ橋。
ここで行われる捕虜の交換、とても切ないです。

緊張が続く内容、しかも超寒そうでしたが、ドノヴァンが妻へのお土産を渡すラスト近くのシーンやアベルとの裁判中の会話、「心配じゃないのか?」 「それが役に立つのか?」という印象的なセリフにもちょっと笑わせられ、ユーモアも忘れないやっぱりうまい職人映画だなって思いました。

もしかすると2月に発表される今回のアカデミー賞で最優秀助演男優賞に輝くのはこの切ない男・アベルを演じたマーク・ライランスじゃないかなーと現時点で私は思うのですが・・・どうでしょうね。 
      ★★★★ 

 


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バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡) [映画【は行】]

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第87回アカデミー賞では9部門でノミネートされ、作品賞、監督賞、撮影賞、脚本賞を受賞。
「バベル」「21グラム」などのアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督作品。
この監督、私ちょっと苦手かも…と思って観たのですが、これがなかなか深い映画でした。

まるでワンカットで撮影されたかのようなカメラワークが話題となってました。
とても長い不思議なタイトルの意味もラスト近くでわかるようになっています。

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色んな解釈が出来る映画ですが、私の解釈です。
思うに主人公のリーガン(マイケル・キートン)は精神が病んでいます。
触ってもいないものが動かせたり、壊したり、体が宙に浮いたり。
かつて自分が演じた『バードマン』の声が聞こえてきたりの幻覚、幻聴があるのです。
でも幻聴も幻影も、本人にしてみればそれは真実。

リーガンはかつてヒーロー映画『バードマン』で一世を風靡した俳優。
今でも外を歩けば「バードマンじゃないか!」と写メられたりもするのです。

人々から忘れら去られたわけじゃない、でもこのまま落ち目の俳優のままでも終われない。
自分がかつて俳優を目指すきっかけになった小説を脚色をして、無謀にも舞台でもう一回再起するつもりなのです。
今はプレビュー公演に向けての準備をしているところで、評判もまずまずと言われているのですが彼の心は不安でいっぱい。

〝ブロードウェイってところは舞台より映画を下にみている。
 落ちぶれたハリウッド俳優なんかが来るところなんかじゃないんだよって思っている。”

ブロードウェイには有名な舞台評論家がいて、プレビュー公演を観て彼女が面白いって書けばその舞台は大当たり。
でも彼女にこき下ろされたら最後、いくら頑張ってもそこでオシマイ。
そんな裏事情も描かれていくのです。

脇役の下手くそな俳優が怪我をして(リーガンの超能力で怪我をさせて?)、代役に有名舞台俳優マイク(エドワード・ノートン)がやってきます。
そしたらマイクは主役のリーガンをくってしまう演技をするのです。
とにかく人生は思った通りにはいかない事ばかり起きるのです。

身勝手な共演者に手を焼き、娘のサム(エマ・ストーン)との不仲に悩み、評論家の酷い言葉に傷つき、どんどん落ち込んでいくリーマンはバードマンと共に空に舞い上がり空を飛び…。
でも実はタクシーに乗っていたんだよ…なんてオチに笑わされるのですけれど。

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監督はとてもブラックに落ちぶれた俳優を追い詰めていきます。
今のアメコミ映画ばかりのハリウッドにもチクリと釘を刺しているようです。

こんなにもユーモラスに、そして残酷に描けるのは監督がアメリカ人じゃなくてメキシコ人監督だというお蔭かもしれないと思うのです。
アメリカにはかつての栄光を引きずる俳優は沢山いるはずですものね。

他人事じゃない、とハリウッドのアカデミー会員たちはこの病んだ男の姿に笑って共感して、そしてよくぞ描いてくれたと喝采したのだと思うのです。

「セッション」よりドラムが効いた映画でした。面白かったです。★★★★★


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はじまりのうた [映画【は行】]

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第80回アカデミー賞歌曲賞を受賞した『ONCE ダブリンの街角で』のジョン・カーニー監督の最新作。
やっと観てきました。

恋人のディヴ(アダム・レヴィーン)に裏切られて、小さな酒場で弾き語りで歌い出すグレタ(キーラ・ナイトレイ)。
すると偶然その酒場にいた音楽プロデューサーを名乗るダン(マーク・ラファロ)がアルバムを作ろうと持ち掛ける。

彼女の才能を見出すダンだったがダンは自分が作った音楽会社を追い出されたばかりだった。

妻や娘とも上手くいかないダン、しかも今は無職。
一方恋人と別れて住む場所もなく友人の家に転がり込んでいるグレタ。

二人の出会いはお互いの再生のチャンスと変わっていく…。

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どんな役にも挑戦しているキーラ・ナイトレイ。
本年度のアカデミー賞助演女優賞でノミネート「イミテーション・ゲーム」では数学者役でした。

今回はミュージシャンで、才能があって彼に曲も提供しているけど、彼だけが売れていってどんどん変わってその彼に浮気までされてしまうんです。

浮気する彼役はアダム・レビーン(マルーン5)でさすがの歌声です。

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彼女をデビューさせたいならまずデモテープを持って来いと言われてしまうダン。
そこでニューヨークのあちこちで路上ライブで録音したCDを制作することを考え出します。
演じるは「フォックスキャッチャー」でアカデミー賞助演男優賞のノミネートのマーク・ラファロ。

やがてダンとグレタとの関係はどうなっていくのか、ですね。
別れた彼の留守電に自分の想いを歌にして録音するグレタ。
その曲を聞いた彼にライブに呼び出されるのですが…。

音楽でつながっている人たちの物語。
鑑賞後は前向きになれそうです。

キーラがキュートで音楽があふれ出す映画でした。  ★★★☆


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博士と彼女のセオリー [映画【は行】]

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天才物理学者、スティーヴン・ホーキング博士の実話を元に作られた映画です。
若くして難病ALS(筋萎縮性側索硬化症)を発症。
来日もしていらっしゃるので車いす姿を記憶している方も多いはず。
著書の『ホーキング、宇宙を語る』は発行部数は全世界で1000万部、日本でも110万部のベストセラーとなっています。

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英国・ケンブリッジ大学大学院生のスティーヴン・ホーキング(エディ・レッドメイン)は文学を学ぶジェーン(フェリシティ・ジョーンズ)と出会い、恋に落ちます。

女の子をダンスパーティに誘っといて「僕は踊らないんだ」ってどういうこと?
でもそこは理系男子。
踊っている男性のシャツが光って見えるのは何故か、洗濯洗剤が衣類を白く見せる紫外線のトリックなどをしっかりちゃっかり説明したりします。
そしてパーティ会場じゃなくて二人っきりで打ち上げられる花火を見ながらのダンス…素敵です~。
ですがそんな幸せな日々は続きません。

ある日倒れたスティーヴンは筋肉の委縮と筋肉低下をきたす神経変性疾患、ALS(筋萎縮性側索硬化症)を発症していると医者から告げられます。
しかも余命は2年だというのです。
驚くステーヴン、そんなスティーヴンを支えることを選ぶジェーンは周りの反対を押し切り結婚式を挙げるのでした。1965年の頃です。

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やがて少しづつ少しづつ、でも確実に筋肉が弱ってくるスティーヴンの姿。
車いすも必要になってきます。

子供も生まれ友人にも恵まれ仕事も順調…あれ、2人目の子どもも生まれています。
子供の大きさから2年の余命はとうに超えているはず…ケンブリッジ大学でのキャリアも捨てて献身的に妻として生きるジェーンでしたが先も見えない子育てと介護に彼女の限界を超えてきたのではと思う頃、一人の男性が現れます。
この男性はスティーヴンの介護にも力を貸してくれてジェーンを精神的に支えることにもなるのですが、ジェーンの3人目の妊娠がわかるとこの不思議な三角関係は終わりを迎えます。
家族や周りから子供の父親が誰かを疑われたのでした。

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美しい青春の出会いと献身的な支えで成功した物理学者夫婦の話ではありませんでした。
脚本のアンソニー・マッカーテンは何度もジェーン本人を取材してきちんと描いているようですし、出来上がった映画を観てホーキング博士は涙を流したということです。
夫の介護と3人の子どもの育児で疲れ果てる妻、その後お二人は離婚されて、それぞれ再婚されています。

難病と戦いながら、前向きに、ユーモアも忘れずに生きる博士の姿には感動させられます。
そして何よりも奥様の苦労やその時々の重大な選択にも感情移入出来る映画になっていました。

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スティーブン役のレッドメインは「レ・ミゼラブル」のマリウス役で有名になりました。
名門イートン・カレッジでウィリアム王子とは同級生という超サラブレット。
今回のホーキング博士にしか見えない演技で見事アカデミー賞主演男優賞を受賞。
授賞式で名前を呼ばれた時のレッドメインは本当に素直で若者らしい喜び方、観ている方が嬉しくなるような受賞でした。  ★★★★☆

監督:ジェームズ・マーシュ


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ビッグ・アイズ [映画【は行】]

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実話をベースに現在も存命の女性画家のスキャンダルをティム・バートン監督が描いています。

アニメーションでもなく常連のジョニー・デップもヘレナ・ボナム=カーターも出てないバートン監督の映画は久しぶりです。
ヘレナとバートン監督は破局したという話ですものね。
今回の主演はエイミー・アダムスとクリストフ・ヴァルツです。

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1960年代にブームとなった「大きな目の子ども」の絵画の作者が実はゴーストライターだったというお話です。

夫・ウォルター(クリストフ・ヴァルツ)は口が上手く商才の才能はあるけど絵の才能はなし。
妻・マーガレット(エイミー・アダムス)の才能を認めて自分の描いた絵として売り込みを始めます。
マーガレットは美大出身でバツイチ、知り合ってすぐに結婚したふたりでした。

最初はマーガレットもあの絵は自分の描いたものだ、と夫に抵抗はするのですが女性がまだ世間に認められにくい時代ということもあり夫に言いくるめられてゴーストライターとして次々に作品を発表し続けます。
プール付きの豪邸もお金も手に入れたマーガレットですが破たんがやってきます。
夫のひどい仕打ちに逃げ出すマーガレット。
やがてマーガレットは絵は自分が描いたものだとラジオで告白、大騒ぎとなるのです。

法廷ではお互いが「自分が描いた」と言い張ったため裁判長は「大きな目の子ども」を同時にふたりに描かぜるという手段をとっていくのですが…。

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なんとも嫌な男をクリストフ・ヴァルツが演じていました。
タランティーノ監督作品で2度のアカデミー賞助演男優賞に輝いたヴァルツですが他の監督だと光らない感じがします。
今回も嫌なだけな男でちょっと残念。
実在のご主人の方はすでに亡くなっているそうです。

アカデミー賞ノミネートの常連、エイミー・アダムスも男運が悪い女性を演じてます。
2度の結婚で2回も夫から逃げださなきゃならないなんて辛いですね。
最後に実在のマーガレットとエイミー・アダムスが並んで撮ったツーショットが映し出されます。

マーガレットの絵が無ければウォルターの栄光は勿論無かったのですが、逆にウォルターの売込みが無かったらこの奇妙な絵も注目されてなかったんじゃないかと思われますし…複雑な関係の芸術家夫妻のお話です。

こんな事がアメリカでも本当にあったんだと驚きましたが鬼才と言われるバートン監督の映画としては『ビッグ・フィッシュ』みたいなファンタジー色も無く、事実を元にした普通な映画だったと思いました。
   ★★★☆


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