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牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件 [映画【か行】]

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1991年の台湾映画です。(公開は92年)
上演時間が188分版と236分版が存在するらしく、今回25年ぶりにデジタルリマスター版として公開されたのは236分版。
2007年に亡くなったエドワード・ヤン監督の生誕70周年・没後10年となる今年にあわせての公開。
台湾で実際に起こった未成年の少年による殺人事件がモチーフとなった映画です。

約4時間(!)で途中休憩もないのでとにかく長い映画。
必ずトイレに行ってから観てね。
それから登場人物が多いのと、呼び名が複雑で例えば小公園とか217ってなに?って迷う部分も多いので予備知識があったほうがお話に入れると思います。

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1960年。台北。
主人公・小四(シャオス―)は外省人の両親と英語の堪能な長姉、クリスチャンの次姉、兄と妹の兄弟たちと暮らす次男で建国中学夜間部に通う中学生。外省人とは大陸から台湾に渡った移民のこと。
小四は最初は真面目な学生だったが段々と問題を起こしていく。
世の中は不公平でうまくいかないものとなっていくのだ。
不良少年グループの「小公園」のメンバー、王茂(小猫王)や飛機(フェイジー)が友達。

ある日、小明(シャオミン)という女の子と知り合い好意を持つ。
でも、彼女は小公園の伝説のリーダー・ハニ―の恋人。
その小公園と敵対するのは「217」というグループ。
小明は217の村出身なのに小公園のリーダーと付き合っていることでもめていた。
小四が彼女と知り合った時はハニーは行方不明中。
そんなハニーが突然街に帰ってくる。なんと、セーラー服姿。

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ハニーは小明と小四が好き合ってることを見抜いて、でも小四を傍らに呼んでする話は小説「戦争と平和」のこと。
その後、ハニーは217に殺されてしまい、ハニーの替わりに小明を守って生きていくと誓う小四。
でも、小明はそんなことを求めてはいない。
小明が小四の親友小馬(シャオマー)と付き合っていることを聞いてしまった小四は懐に小刀を隠し持ち街に出る。

やがて一途な少年の愛は取り返しのつかない切ない行動に走ってしまうのだった。

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当時の不良少年たちはエルビス・プレスリーに夢中。
少年らしい高い声で英語の歌をうたい、レコードを聞いて、オープンリールで録音したりと懐かしの風景。
小四の住む家も日本家屋。

ヒロインの少女はとにかくモテる。
どうみても普通の女の子なんだけど伝説のリーダーもお医者さんも小四もみんな小明に好意を抱くのね。
魔性の女というより、勝手にみんなが惚れちゃうみたい。
あの日彼と会わなければ、と思うラスト。

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教育熱心の両親に育てられた小四、夜間中学で知り合うのは不良グループや金持ちの転校生。
話題は多岐に渡り、その時代や民族の背景がわからないのもあるので難解な部分も多く、一回観たところで全部をわかるのは無理かなと思いました。
もやもやしたわからない部分をどうにか知りたくなってくる、そんな映画です。

これはまた4時間観るしかないかな~。

 


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アシュラ [映画【あ行】]

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韓国映画です。

観たいと思いつつ時間は過ぎて、でも今週で終わりそうなので駆け込みで観てきました。

ノワール映画(虚無的・退廃的・悲観的な傾向をもつ犯罪映画)と言えば少し前ならフランス映画やハリウッド映画でしたが今ではぶっちぎり、韓国映画がトップ。
映像が半端ない暴力の連続。
今回も皆殺しです。 

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前回観た韓国映画の『コクソン』の主演でヘタレ警察官役だった(クァク・ドゥオン)が今回正義の検事、妖しい霊媒師役のフアン・ジョンミンが悪徳市長。
前回とは全く違う役をお二人見事に演じてます。

架空の都市アンナム市。
街の利権を牛耳る市長ソンベ(ファン・ジョンミン)は金の為にはどんな手をも使う悪人。
たとえ訴えられてもその相手を裏から手をまわして殺してしまうなんて当たり前。

市長ソンベの腹違いの妹が妻の刑事ドギョン(チョン・ウソン)は、末期ガンの妻の入院費のためにソンベの裏の汚い仕事を全部請け負っていた。
今回もそんな裏仕事を片付けたある日、同僚刑事を手違いで死なせてしまうドギョン。

その事件がきっかけで検事チャイン(クァク・ドゥオン)に、市長の不正の証拠を持って来いと脅されることとなる。

市長逮捕に燃える検事チャインと私欲まみれの市長ソンベの間に挟まれ、「お前たちの喧嘩に俺を巻き込むな」と言い放つ汚職刑事ドギョン。

ドギョンを兄貴と慕う若手刑事(チュ・ジフン)も巻き込み、暴力、殺人、狂気がぶつかり合い、悪が勝つのか、果たしてこの街には正義はあるのか…怒涛のラストまでノンストップです。

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なんといっても悪徳市長を演じるファン・ジョンミンが今回も圧巻。
いい人ぶりながら、でも同時に目で悪事を指示する演技がおぬしもなかなかの悪じゃのう、って感じです。

チョン・ウソンが主役なんですけど、前から思ってたけどこの人誰かに似てるのよね…あ、トム・クルーズに似てるんだ、って思ってからはこれはやっぱり××してるのかしら?なんてそっちが気になってしょうがない。
その綺麗なお顔時間が進むにしたがって首は締められるはタバコの火は額に押し付けられるわ、ぼっこぼこに殴られるわの傷だらけ。

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チョン・ウソンの中盤のカーアクションがこれまた超すごくて、ひえ―ってくらい迫力があるんです。

奥さん手遅れだけど手術のために病院に行くんだけどボコボコに殴られた後だから顔からも口からもぼたぼたと血は流れ放題、普通病院のドクターもこんな人が来たらこっちが交通事故に遭ったんじゃないかとぶっ飛ぶと思うんだけど誰も騒がない。なんだこの街は。

バンバン拳銃を撃ちあうラスト、しかも舞台は祭事場なんだけど、救急車を呼んでくれと哀願する検事だけれど、いやいや、こんだけ撃ち打ち合ってたらパトカー普通、通報あって来るし、と思うけど来ないし。
息つく暇も与えない怒涛の展開で面白かったです。

でも比べちゃおうと殺し合いばかりじゃない『コクソン』の方がお勧めかな。 

 


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LION/ライオン 〜25年目のただいま〜 [映画【やらわ】]

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実話を元に制作された映画です。

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1986年・インドの貧しい村で暮らす5歳の少年、サルー(サニー・パワール)は大好きな兄と二人で母を助けるために懸命に自分が出来ることで働いています。
それは列車に積まれた石炭を盗んではわずかな牛乳に換えたり、という危険なことまでです。

ある日兄が止めるのもきかず、兄の仕事探しにくっついていった駅で迷子になるサルー。
「ここで待っていろ」と言われたベンチではなく、停車中の 列車の中で眠り込んでしまったのです。
目覚めると無人の列車は3日ほど止まることなく走り続け、家から遠く離れたカルカッタまで来てしまいます。

サルーは家に帰りたいと思いましたが大都市カルカッタでは自分の生まれた村とは言葉が違います。
親切に声をかけてくれる人もいますがでも信じることが出来ずに逃げ出したり、浮浪児が集まった場所では大人に追いかけられることもあり、ごみをあさるような生活の果てに孤児院?のような施設に収容され、そこからオーストリアに養子として渡り、お話はそれから20年後となります。

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成長したサルー(デブ・パデル)は進学して養父母と別れて暮らすことがきっかけで実の家族を探し始めます。
愛してくれる養母(ニコール・キッドマン)にはどうしても実母と会いたいとは言えなかったのでしょう。

友人からGoogleEarthならインドでも探せるんじゃないかとアドバイスされ、わずかな5歳までの記憶を頼りにとりつかれたようにパソコンで探すのですが、自分が憶えていた住所はインドにはありませんでした。

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恋人(ルーニー・マーラ)も出来て、なに不自由もなく今を暮らす主人公サルー。

インドのスラム街よりオーストラリアの生活の方が何倍も幸せじゃないのか?
なぜ昔の家族を憑りつかれたように探すのか?
映画を観る前は誰しもそう思うところなんですけど、前半のサルー少年が育ったインドでのシーンがかなり丁寧に語られているので納得です。

5歳のサルーはいつも「よくやった、お前は偉い」と褒めてくれる兄の事が好きで好きでたまらない。
優しく頼りなさげな母もきっと突然いなくなった息子を今も探し続けているはずだ。
過去の自分や兄の姿がフラッシュバックように蘇ってくるのです。

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アカデミー賞に作品賞、助演男優賞(デブ・パデル)、助演女優賞(ニコール・キッドマン)、脚色賞、撮影賞、作曲賞にノミネート。
受賞は出来なかったんですがニコール・キッドマンの今回の演技は素晴らしかったです。

ニコール・キッドマン自身も養子を迎え、実子もいて、代理母で娘も育てているという環境。
今回は自分の子どもは産まずに不幸なインドの子どもを養子に迎えて幸せを与えるという選択をしたオーストラリア人女性を自然体で演じています。

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デブ・パデルの映画は「スラムドック$ミリオネア」、「マリーゴールド・ホテルで会いましょう」、「チャッピー」などで観てきましたが、今回の映画で初めてかっこいい♪って思ってしまいました。
インドの方って顔のパーツが大きくて綺麗ですよね。

少年時代を演じた5歳のサニー・パワールくんの演技も素晴らしく、お兄ちゃん役の少年の切ない目も忘れ難く、インドの貧困、孤児の子供を売って生活しているんじゃないかと思われる大人たちもいることなどなど、様々なことを考えさせられてしまいました。 

〝成長した貴方を本当のお母さんにも見せてあげたい。”
ラストに本人映像と「ライオン」というタイトルの真相がわかるのでエンドロールまでご覧になってください。

監督:ガース・ディビス 

 


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