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八月の狂詩曲 [映画【は行】]

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8月9日は長崎に原爆が落とされた日。
それに合わせての企画だと思うのですが、NHKBS<プレミアムシネマ>で黒澤明監督の『八月の狂騒曲(ラプソディー)』(1991)が放映されたので録画で鑑賞しました。

長崎市から少し離れた山里。
夏休みで田舎の家にやってきた4人の10代の孫たちと、今も原爆に苦しむおばあちゃん(村瀬幸子)のお話です。

おばあちゃんにはハワイに移住した兄がいて、その兄が最近具合が悪いので妹に会いたい、ハワイに来てくれないかと連絡してきているのですが、しかし沢山の兄弟がいたというおばあちゃんにはハワイの兄の記憶が全くないのです。

今ではパイナップル王で大金持ちと聞いたおばあちゃんの娘と息子(つまり孫たちの親)が速攻でハワイに出かけて写真と手紙を送ってきます。
「おばあちゃん、ハワイに一緒に行こうよ」とねだる孫たち、でもおばあちゃんにとってはまったく記憶がない外国の兄のところに行くより、ここで過ごす、4人の可愛い孫と一緒のこの夏の生活が楽しくてしょうがありません。

やがて孫たちはおばあちゃんの記憶を探り始めます。
でもおばあちゃんの記憶から出てくるのは夫であるおじいちゃんが長崎に投下された原爆(ぴか)によって亡くなっていたこと、おばあちゃんの他の兄たちの事、近所に住む同じ原爆で肉親を失った人たち、山の奥の谷に住む河童の話などです。
やがて孫たちはおじいちゃんの勤務先だった小学校にも行って原爆の恐ろしさを体感していきます。

そんな中、ハワイから甥のクラーク(リチャード・ギア)がやってきます。
おじいちゃんが原爆で亡くなったという事を知られるのはまずい、気分を害するんじゃないかと心配する親たち。
アメリカ人は原爆の話が嫌いなはずだといい出します。

でもクラークはおばあちゃんと仲良くなり、おばあちゃんも8月9日のおじいちゃんの命日である原爆忌を終えたらハワイに行って兄に会う決心をしますが、ハワイからクラークの父が亡くなったという電報が届くのです。 

 

原作は芥川賞作家の村田喜代子さんの『鍋の中』を元に映画化したものです。
おばあちゃんの心の鍋の中を覗くと色々なものが入っている、ってことなのかしら。
映画は原作からかなり脚色されているようで戦争色が濃くなっている感じです。

25年前の映画なもんですから大学生役の孫の一人の吉岡秀隆が若い!
そしてなんとリチャード・ギアも出演してる・・・やはりすごく若い!!

原作もですが映画も観たことが無く、ちょっと眠くなるようなのどかな田舎の風景から段々と原爆に対する恐怖や怒りのシーンが織り込まれていき、やがてハワイの兄が亡くなったことを電報で知ったあたりからおばあちゃんの様子はおかしくなってしまいます。

最後のシーンに流れる「野ばら」の曲。
正直、監督がいいたかったことはよくわかんない部分も多いけど、おばあちゃんはラストで清らかに咲く野ばらのような少女の心となって土砂降りの中を傘をさして走る、走る。
そしてそんなばあちゃんを孫が追いかけ、息子と娘が追いかけ・・・。
傘は雨風で反り返り、それどもおばあちゃんはぴかの落ちた長崎に、夫の元へと突っ走る、そんな悲しいシーンで終わる映画でした。とても最後は印象的です。


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コメント 24

non_0101

黒澤明監督作品なら出たいとリチャード・ギアが張り切って出演した作品でしたね。
公開時に観たはずなのに、あまり覚えていない…
もう25年も前の作品なのですね。
いつかちゃんと見直してみたいです☆
by non_0101 (2016-08-10 00:04) 

キキ

non_0101さん、こんにちは。
私は観たことがなくで題名だけ知ってる映画でこんな内容の映画だったのかと思いながら、でも2回も観てしまいました。
黒沢監督の「夢」は観たんですけど、その次の年の公開作のようです。
痛烈に原爆に怒りを込めたセリフも多いく、若い時に観ても(今観てもですが)ちょっとわかり難いラストです。
主演の村瀬幸子さんは映画の前はこの役で舞台でも演じられていたようです。この人しかいないって感じでした。
リチャード・ギアは特にリチャード・ギアでなくても良かったような役で、でも黒沢映画に出演したかったんだろうなあ、なんて思いました。
by キキ (2016-08-10 19:46) 

キキ

剛力ラブさん、こんにちは。
niceをありがとうございます。
by キキ (2016-08-10 19:49) 

キキ

mangaharaさん、こんにちは。
niceをありがとうございます。
by キキ (2016-08-10 19:50) 

キキ

nandenkandenさん、こんにちは。
niceをありがとうございます。
by キキ (2016-08-10 19:50) 

キキ

dougakunenさん、こんにちは。
niceをありがとうございます。
by キキ (2016-08-10 19:51) 

キキ

shingekiさん、こんにちは。
niceをありがとうございます。
by キキ (2016-08-10 19:51) 

キキ

モグラたたきさん、こんにちは。
niceをありがとうございます。
by キキ (2016-08-10 19:52) 

キキ

宝生富貴さん、こんにちは。
niceをありがとうございます。
by キキ (2016-08-10 19:52) 

キキ

mentaikoさん、こんにちは。
niceをありがとうございます。
by キキ (2016-08-10 19:53) 

キキ

コミックンさん、こんにちは。
niceをありがとうございます。
by キキ (2016-08-10 19:53) 

coco030705

こんばんは。
この映画はリチャード・ギアが出演したということが話題になりましたね。黒沢さんの映画はやはり奥が深いというのか、わかりやすくないものもあるんですが、それは観客にゆだねるということでしょうね。この作品観てみたいです。

by coco030705 (2016-08-10 23:33) 

キキ

yu-papaさん、こんにちは。
niceをありがとうございます。
by キキ (2016-08-11 10:18) 

キキ

coco030705さん、こんにちは。
リチャード・ギア、若かったです。
訃報を聞いて直ぐに帰国したので出演時間は短いけど日本語を話しています。やっぱい若い頃はかっこいいですね。
突き抜けるような夏の青空が原爆の落ちた暗い空に変わっていく。
戦争を体験した世代だがけが描ける戦争映画のような気がします。

by キキ (2016-08-11 10:31) 

キキ

ありささん、こんにちは。
niceをありがとうございます。
by キキ (2016-08-12 08:57) 

のらん

タイトルは耳にしていたけれど、観なかった映画です。
ふ〜ん、原爆テーマの映画だったのね。。
私は、父親が広島の被爆者で、父の両親や妹たちが原爆で死んで、
そんなことから原爆の話はよく聞かされたのだけれど、
どうかな? やっぱり、私自身の体験ではないので、どこか昔話・・・
黒澤映画のエンディングは、哲学的なのね(^_^;
by のらん (2016-08-13 07:32) 

キキ

のらんさん、こんにちは。
私も観てなかった映画でした。
のらんさんのお父様は広島で被爆されていたのですか。
大変なご経験をされていたのですね。
体験者から聞いたお話の方がもっとリアルだと思いますが、この映画は長崎の原爆で夫を亡くして自らも被爆したお婆さんと孫のお話でした。
その後、芥川賞も受賞したという原作の『鍋の中』を読んでみました。
短編ですしとても読みやすい文章でした。
ですがこの原作の中では戦争も原爆もまったく触れられていなかったのです。
お婆さんの夫が原爆で亡くなったとか、舞台も長崎であるということさえも書かれていませんでした。
原作と映画は別のお話で、この映画は脚本も書かれた黒澤明監督の戦争へのメッセージだと思いました。
by キキ (2016-08-15 21:14) 

キキ

月夜のうずのしゅげさん、こんにちは。
niceをありがとうございます。
by キキ (2016-08-15 21:16) 

キキ

yamさん、こんにちは。
niceをありがとうございます。
by キキ (2016-08-21 11:13) 

キキ

lumaさん、こんにちは。
niceをありがとうございます。
by キキ (2016-08-21 11:13) 

キキ

gillmanさん、こんにちは。
niceをありがとうございます。
by キキ (2016-08-21 11:14) 

キキ

ネオ・アッキーさん、こんにちは。
niceをありがとうございます。
by キキ (2016-08-30 23:28) 

キキ

kontentenさん、こんにちは。
niceをありがとうございます。
by キキ (2016-08-30 23:29) 

キキ

mayuさん、こんにちは。
niceをありがとうございます。
by キキ (2016-08-30 23:29) 

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