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哭声 コクソン [映画【か行】]

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『チェィサー』『哀しき獣』のナ・ホンジン監督の新作。
土砂降りだったり、雷落ちたり、首つり、悲惨で恐ろしい殺人現場あり。
暴力シーンには手を抜かないことでは世界トップの韓国映画、今回もすごい。
少し前に観たハリウッド映画の「ドント・ブリーズ」なんて目じゃないですよ。

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シネ・リーブル梅田にて鑑賞。

シネ・リーブル梅田のHPに
〝3/11の初回と2回目共に満席となりました。ケットの購入はお早めに”
というコメントがありました。
ナ・ホンジン監督の映画もなかなかメジャーになってきましたね~。

今回は「山の中に住む謎の日本人」役を國村隼さんが演じているということでかなり話題なんです。
國村さんは日本じゃ知的な名わき役ですし、キル・ビルにも出演した国際派。
しかーし、今回のこの映画ではふんどしいっちょで生の動物(鹿?)をむさぼり喰うという怪演。
韓国の映画祭で外国人初の助演男優賞を受賞していらしゃいます。

満席のお客さんは絶対、國村さんを観るために足を運んだんじゃないかなと思うのでありますが
國村さんはお客の想像を遥かに超えた演技を見せてくださるのです。

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のどかな田舎の村に殺人事件が多発する。
いずれも家族を皆殺しにするのは被害者の家族だった。
犯人には必ず体中に湿疹が出来ており、やがて苦しんで死んでしまう。
なんでこんなことが起こるのか。

この村に住む、ヘタレな警官のジョング(クァク・ドゥオン)は、
うわさ話で怪しい日本人が村の奥に住み着いていてそいつが原因ではないかと聞きつける。

原因って言っても根拠がないのだが「そいつは日本人だから」みたいな理由。
俺は見た、その男は野生の動物もむしゃむしゃ食っていて
襲われそうになったから命からがら逃げかえってきたという目撃談も出てくる。

男の家を訪ねてみると、「自分は旅行者だ」というのだが、実際かなり、怪しい。
だいたい旅行者がなんで韓国の山奥の「かまど」しかないようなきったない家に住み着いてるのか。
奥の部屋にはろうそくいっぱい並べた祈り部屋みたいなのもあるし、
例の事件の死体の写真もベタベタと大量に置かれているし。
旅行者なのに凶悪そうな黒いブルドッグ飼ってるし。
あ、怪し過ぎる・・・・。

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ジョングも謎の男の悪夢を見ることが増え、男に対する疑惑は段々と確信の様なものになっていく・・。

やがて明るかった幼い自分の娘に殺人犯と同じ湿疹が現れてしまう。
態度や言動がおかしくなる娘をみて、事なかれ主義警官だったジョングは立ち上がる。
娘を守る為に謎の日本人を村から排除せねばならない。

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一方、一緒に住む妻の母が、どんどんおかしくなり汚い言葉を吐く孫娘のために祈祷師(ファン・ジョンミン)を呼ぶ。
かなり有能な祈祷師らしいけど、演じるファン・ジョンミンは今や韓国映画を代表する俳優さんです。
最近の韓国映画じゃ主役でバンバンでていらしゃいます。

いつもは脇役のクァク・ドゥオンが主役でファン・ジョンミンが脇役ってところも面白いところ。
そして娘役の女の子の悪魔に憑かれたような演技がまあ、すごい。
助演女優賞はとってないのかな。

ファン・ジョンミン演じる祈祷師は日本人が原因だと断言して悪霊払いを始めるのです。

でも、一方では牧師も出てくるわ、ゾンビみたいに殴っても殴っても倒れない男がでてくるわ、
怨霊かもしれない白い服の謎の娘もでてきて、
話はキリスト教のエクソシストなのか、韓国の亡霊映画なのか。
どんどんカオスな光景に突入。

中盤、雷が落ちてある男が倒れるんですけど、雷に打たれるリアルなシーンなんて初めて。
その後男は病院に運ばれ、「漢方薬飲んでたから雷に打たれても命は助かった」という
半泣きの家族の話に、あまりの恐ろしさに口が空きっぱなしだった私ですが吹き出してしまいました。
怖いシーンにもちょっと笑えるシーンを必ず入れてくるのがこれまた韓国映画のすごいところです。

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疑え、惑わされるな。というキャッチコピーの文句の通り、話は二転三転。

結局、悪霊なの?
悪魔なの?
あの祈祷師は敵なの?
國村さん、いや、謎の日本人の正体は????

國村さんが釣りをするために餌をつけるシーンからこの映画は始まり、
國村さんのものすごい姿でこの映画は終わります。

 


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ラ・ラ・ランド [映画【やらわ】]

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本年度・第89回アカデミー賞でのごたごたは前回書いた通りですが、作品賞誤報トラブルのニュースも宣伝となり、やはりその後の注目度ナンバーワンはこの映画

『タイタニック』『イヴの総て』と並び、史上最多14部門でのノミネート。
監督賞・主演女優賞・撮影賞・作曲賞・歌曲賞・美術賞の6部門を受賞しました。

冒頭の渋滞した高速道路でのミュージカルシーンは素晴らしいですね。
朝の大渋滞でいらいらしながら止まっている車から一人の女性が歌い出し、やがて次々にドライバー達が降りて踊りながら歌い出す。

ワンカットでカメラが長回しで撮ってます。
ダンサーもカメラマンも何度も練習しての名場面なんでしょう。
ここから一気にミュージカルの世界に入り込みます。

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ストーリーはハリウッドのワーナーブラザーズのカフェで女優になるためにバイトをするミア(エマ・ストーン)と、いつか自分のジャズの店をもつことが夢のピアニストのセバスチャン(デミアン・チャゼル)、ふたりの恋物語。

この日は渋滞に巻き込まれながらもオーディションのセリフを覚えようと必死のミア、その後ろを運転していたセバスチャン。
ふたりはこの高速道路で初めて出会うのだけれど最初の印象は最悪。

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次はクリスマスの夜、この日もオーディションに落ちたミアが通りを歩いていると聞こえてくるピアノの調べ。
曲に導かれてバーに入るミア。
このシーンも、高速道路のシーンも最後の伏線になっていきます。
ミアが店に入ると、この曲を弾いたばかりに店をクビになってしまったセバスチャンがいます。
話しかけようとするミアを無視して、セバスチャンは去っていきます。

やがて冬から季節は春、次の再会場所はプールサイド。
日暮れの街を背にふたりが躍るシーンへとつながります。
マジックアワーと呼ばれる日が落ちる美しい瞬間を踊るふたり。

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長いことかかってやっとここから恋に落ちていくのですが、監督は『シェルブールの雨傘』など往年の美しくも悲しいラブストーリーになぞってストーリーを展開してますからね、長くは続かない幸せです。

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ジャズの店を持つ夢のために意思を曲げて加入したバンドが売れ出したセバスチャン。

一方が売れ始めるとふたりは会う時間も少なくなり、ミアは自分の才能に自信を失くしていきます。
自分で脚本も書いた一人芝居をやって経済的にも大失敗をしたミア、もう女優の夢を諦めると言いだすのです。
でも結果、この一人芝居が彼女の人生を変えていくのですが、その後、時は一気に5年後となります。

この映画の監督のデミアン・チャゼルが好きな映画の一つというミュージカル映画の『シェルブールの雨傘』。
16歳の美しい少女は恋をして将来を約束した青年がいます。
でも彼は突然軍隊に入ることとなり「2年後に帰ってくる」と言い残して去ってしまいます。
愛した彼が去って泣き暮らす少女。
そこに少女に求愛をするリッチな男性が現れ、少女は悩みながらもその男性と結婚し街を出ます。
やがて2年後に戻った青年は彼女がいなくなったことに驚き哀しみますが、別の女性と結婚。
時は経ち何年も過ぎたクリスマスイヴ。
偶然青年が経営するガソリンスタンドにお客として現れる元少女。
彼女は裕福層そうで、お互いに子供もいます。
ふたりはそのまま、本当の別れをするのです。

これが王道ラブストーリー。
そんな悲恋を現代的にアレンジして、美しい映像で空も飛ぶしね。
夢を持つ素晴らしさ、恋、挫折、別れ、再会などを盛り込ませています。

『セッション』を観た時になんて若いすごい感覚の監督が出てきたぞとびっくりしましたが、今回はそれよりも毒が抜けたというのか落ち着いた映画で、本来はこの映画を撮りたかったということでした。
『セッション』といい、『ラ・ラ・ランド』といい音楽はハーバード大学時代のルームメイトのジャスティン・ハーウィットが担当、今回、監督賞と共に作曲賞と歌曲賞の同時受賞となりました。

 


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米・第89回アカデミー賞授賞式(WOWOW) [映画【あ行】]

こんにちは。

最近、更新を怠っておりましたが今日行われたアカデミー賞授賞式の様子を簡単にご紹介いたします。

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世界最高峰の映画の祭典、アカデミー賞授賞式が今年も日本でも生中継!
アメリカは日曜の夜だけど日本は月曜の午前中です。 
仕事は休んでTVの前で授賞式が始まるのを待ってます。
会場はLAドルビーシアター。

14部門でノミネートの「ラ・ラ・ランド」が注目された今回。
それに絡んでラストにものすごいアクシデントが起きましたが、逆に考えると受賞作品が漏れたりしてない、本当に公正に行われている証拠かななんて思いました。 

まず、ジャスティン・ティンバーレイクによる歌とダンスで幕開け。
曲はノミネート曲の"Can't Stop The Feeling"  ~「トロールズ」(原題)~ 。

会場は総立ち、でも司会はジミー・キンメルを迎えた時には着席してましたけどね。

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ジミー・キンメルはニューヨーク生まれのコメディアン。
ABC制作の『ジミー・キンメル・ライヴ!』という冠番組があり、マット・ディモンとお互いを茶化すビデオを制作して全米で話題になっている人。
宿敵・マット・ディモンがプレゼンターとして会場に来てるので二人の茶化しあいも注目されるところです。
最初っからトランプ大統領に絡んだジョークで会場を沸かせてました。

受賞の発表順です。

◆助演男優賞受賞 マハーシャラ・アリ「ムーンライト」

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◆メイク・ヘアスタイリング賞受賞 「スーサイド・スクワッド」

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◆衣装デザイン賞 「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」

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 ◆長編ドキュメンタリー賞 「O・J:メイド・イン・アメリカ(原題)」
◇この映画、O・J・シンプソンの過去から現在までを追ったTVドキュメンタリーを映画にしたもの。
なんと7時間の上演時間だそうです。受賞したので日本でも上映されるかもですね。
上映されたら絶対みたい1本です。

☆ここで歌曲賞ノミネートの"How For I'll Go"~「モアナと伝説の海」より 
リン=マヌエル・ミランダとアウリィ・クラヴァリョの歌。

☆AMPAS会長のシェリル・ブーン・アイザックスからの挨拶。

☆天井からキャンディのパラシュートが落ちてきて会場が湧きます。 

◆音響編集賞受賞 「メッセージ」

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 ◆録音賞受賞 「ハクソー・リッジ」

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☆名誉賞の紹介もありました。
受賞はジャッキー・チェン、アン・V・コーツ、リン・スタルマスターの3人です。
 

◆助演女優賞受賞 ヴィオラ・ディビス 「フェンス」
◇この映画は人生を描いた映画だと熱く力強い受賞のスピーチ。
涙ぐむ人もいるほどでした。 
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 ◆外国語映画賞受賞 「セールスマン」(イラン)
◇アスガー・ファルバディ監督が授賞式をボイッコット。
米に住むイラン系女性が替わりにオスカー像を受け取りました。
監督からのメッセージは代読。
監督は過去に「別離」で外国語映画賞受賞歴ありで今回は2回目の受賞です。

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☆スティングの歌、"The Empty Chair"
~「ジム:ジェームズ・フィーリー・ストーリー(原題)より~

◆短編アニメ映画賞受賞 「ひな鳥の冒険」

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◆長編アニメ映画賞受賞 「ズートピア」

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☆カリフォルニアのバスツアーの方々を会場に案内して出演させるコーナーあり。 

◆美術賞受賞 「ラ・ラ・ランド」 

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◆視覚効果賞受賞 「ジャングル・ブック」 

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◆編集賞受賞 「ハクソー・リッジ」

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◆短編ドキュメンタリー賞受賞 「ホワイト・ヘルメット-シリアの民間防衛隊-」

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◆短編実写映画賞受賞 「合唱」

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☆司会者がトランプ大統領に生ツイート。

☆すでに受賞済みの「科学技術賞受賞」の紹介
…アメリカではオタクってロボットや特撮を担当する科学者の事を指すみたいです。
    

◆撮影賞受賞 「ラ・ラ・ランド」 

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◇歌曲賞ノミネートの"City of Stars"~「ラ・ラ・ランド」より のパフォーマンスが入ります。

◆作曲賞受賞   ジャスティン・ハーウィッツ「ラ・ラ・ランド」

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◆歌曲賞受賞  "City of Staes" ジャスティン・ハーウィット「ラ・ラ・ランド」
◇ミュージカルなので「ラ・ラ・ランド」強し!
作曲賞、歌曲賞と2つのオスカーを受賞したハーウィッツはデイミアン・チャゼル監督のハーバード大学の時のルームメイト。
才能が相乗効果で花開いたって感じです。

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☆昨年から本年度までの間に亡くなった映画関係者の「追悼」が入ります。

◆脚本賞受賞 「マンチェスター・バイ・ザ・シー」
◇プレゼンターはベン・アフレックとマット・ディモン。
ここで司会者からの意地悪で笑わせます。
「マンチェスター・バイ・ザ・シー」はマット・ディモンが制作にかかわっていています。
マット・ディモンはこの映画で主演も出来たんですが幼馴染のベン・アフレックの弟のケーシー・アフレックに主演を譲っています。
そしてなんと、この少し後にケーシー・アフレックが主演男優賞を受賞することになります。

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◆脚色賞受賞 「ムーンライト」
◇脚本賞と脚色賞はどう違うのかっていうと、脚本賞はストーリーを自分で一から考えたもの。
脚色賞とは小説などの原作があるものを映画用にしたものの違いです。

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◆監督賞受賞 デイミアン・チャゼル 「ラ・ラ・ランド」
◇32歳、最年少での監督賞の受賞となりました。次の作品が楽しみですね。 

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◆主演男優賞受賞 ケーシー・アフレック 「マンチェスター・バイ・ザ・シー」

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◇マット・ディモンは主演を断った映画です。 

◆主演女優賞受賞 エマ・ストーン 「ラ・ラ・ランド」

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◆作品賞受賞 「ムーンライト」

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最後の作品賞のプレゼンターは「俺たちに明日はない」の往年のスター、ウォーレン・ベイティとフェイ・ダナウェイ。
お二人とも歳を重ねられたな~なんて観てました。

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でも、アカデミー賞ではもったいぶらずにすぐに受賞作品が読み上げられるのに、ウォーレンは開いた赤い封筒の中の受賞作品を発表しないのです…?

まさか字が読めないってことはなさそうだけど、困った顔でフェイに渡すウォーレン。
手渡されたフェイがためらわず「ラ・ラ・ランド」!って公表しました。

「ラ・ラ・ランド」が7部門に受賞ということで、ステージに上がったプロデューサー達次々と喜びの受賞の挨拶、主演のエマ・ストーンもステージ上で涙ぐんでスピーチを聞いている最中、なんと!!
「受賞は間違いがあったようです、読み違いです、作品賞はムーンライトです!」
と訂正が入るというハプニング、会場は騒然としてしまいます。

なんでこんなことになったのでしょうか。
どうやら封筒の中にあったのは『主演女優賞 「ラ・ラ・ランド」 エマ・ストーン』と書かれた紙が入っていて、困ったウォーレンがフェイに渡してしまい、そんな事とは気づかないフェイがそこに書かれた「ラ・ラ・ランド」とそのまま公表してしまたもののようです。

「何をやったんだよ!ウォーレン・ベイテイ!!」と突っ込む司会者。
そこで「ジョークとかではなく本当に、間違いだったんだ」って釈明するウォーレン・ベイティ。 

・・・と、いうことは悪いのは番組の裏方さんなんですよね。

全部同じ赤い封筒だから、作品賞の封筒じゃなくてすぐ前に回収していた主演女優賞の封筒をどういう訳か誤って作品賞プレゼンターに渡してしまっていたようです。

そうとは知らず次々と感激のスピーチをする「ラ・ラ・ランド」のプロデューサー達、3人目にストップが入り、まったく気の毒なことにしっかりと握りしめていたオスカー像は「ムーンライト」関係者の手に渡ることに。
大トリの作品賞受賞の「ムーンライト」も戸惑いながらも喜びの受賞スピーチで今年のアカデミー賞授賞式は閉幕しました。

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去年は白人ばかりの白すぎる受賞式と評判が悪かったですが、今年は一転、多様な人種の受賞となったり、アカデミー賞では人種は関係ない、体重と歳は関係あるけどね、なんて司会者のジョークが冴えた式でした。
プレゼンターのハリー・ベリーやスカーレット・ヨハンソンのドレスもものすごく美しかった。

でもなんといってもラストの作品の賞間違いアクシデントで全部ぶっ飛んでしまったのは確かです。
観ている方は映画を観ているような大どんでん返しのドキドキ感があって面白かったけどね。

「ラ・ラ・ランド」のプロデューサー達は間違いとわかると素早く正しい対応。
受賞は逃したけど、「ムーンライト」って書かれたカードをカメラの画面に高く掲げて映したあの姿は後世まで残る名シーンになったはずです。

さて、興奮と混乱のアカデミー賞授賞式を観たあとは映画館に行かなきゃね。 

 


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シネマ歌舞伎 スーパー歌舞伎II ワンピース [映画【さ行】]

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まさかの歌舞伎化!
ついに映画館に登場!!

世界累計発行部数が3億2000万部を超える尾田栄一郎原作の国民的人気漫画「ワンピース」を歌舞伎に大胆にアレンジ。
2015年の10月と11月に東京新橋演舞場、16年3月に大阪松竹座、4月に福岡博多座で公演を重ね、20万人を動員した舞台を今週(10/22土から11/11金)≪月イチ歌舞伎≫を上演する映画館で観ることが出来ます。

スーパー歌舞伎とは3代目市川猿之助が1986年 に始めた現代風歌舞伎で「ヤマトタケル」「新・三国志」などがあります。
スーパー歌舞伎Ⅱ(セカンド)「ワンピース」は4代目市川猿之助の制作・主演です。
横内謙介脚本演出、主題歌はゆずの北川悠仁。
新橋演舞場・平成27年度(題70回)文化庁芸術祭賞・演劇部門関東参加公演の部で、優秀賞を受賞しています。

主演は4代目市川猿之助。ルフィとハンコック、ジャンクスの一人三役。

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原作エピソードの中でも激闘が繰り広げられる「頂上戦争編」がベースです。
原作だと51~61巻あたりなんだとか。

秘宝ワンピースを探す航海の途中の海賊のルフィとその仲間たち麦わらの一味。
シャボンティ諸島での海軍との戦いでちりじりとなってしまう。
そんな時、黒ひげによって捕まった兄エースが処刑されると知らせを受けたルフィは、エースを助けるためにボン・クレーと海軍との戦いに挑むのだが・・・。

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歌舞伎ですから着物ベースの衣装ですけど、でも洋風なのです。
パンチパーマでサングラスのお方も出てきてメイクも衣装もなかなか面白かったです。
スナックママ風のピンクの着物姿のナミだけはこれはだれ?って感じでしたけどね。
チョッパーは最初はウソップが持ってるぬいぐるみでした。

頂上決戦編は麦わら一味は吹き飛ばされてちりじりになってしまいます。
なのでメンバーの助けはなく、ルフィは一人海底監獄に兄のエース救助に向かいます。

俳優の福士誠治さんが兄のエースを演じていました。
スーパー歌舞伎って、歌舞伎役者さん達だけじゃないんだ、って型にはまらない配役にも感心しつつ、中盤の戦いでは舞台に滝が作り出されて、滝にうたれながらの戦いがこりゃすごい、どうやってあの水が舞台にとびっくり仰天。
そして宙にも浮いてしまうルフィには会場も大喝采、楽しませてくれますよね。

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「海賊王に俺はなる!」ってセリフで誰もが知るワンピースの世界。
歌舞伎になっても少年週刊ジャンプらしい友情・努力・勝利の要素満載です。

ゴムゴムの実を食べたルフィは手がにょろにょろ伸びますが、黒子さん達の腕をつないで伸びているように見せたり、歌舞伎独特の鮮やかな立ち回りや見事な見得を何回も切ってくれますし、歌舞伎ファンもなっとくの舞台になっていると思いました。
プロジェクションマッピングもたくさん使ってお話が進んでいくので新感覚歌舞伎です。
とことん楽しんで制作されてるって感じです。

入手困難でちょっとお高めの歌舞伎をお近くの映画館で観れるのはいいですね。
来年新橋で再演が決まったと映画の最後に出てましたから、これで気になったら本物を観に行くのもいいですね。

 

 


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みかんの丘 [映画【ま行】]

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テアトル梅田にて。
みかんの丘』は『とうもろこしの島』と一緒に公開されていて、先に『とうもろこしの島』を観てからこちらも鑑賞しました。

『とうもろこしの島』では敵対する二つの民族の間に流れる大きな川の中州にトウモロコシを植える老人の話です。
戦争が起きる前からずっと行われていた伝統的なトウモロコシ栽培。
老人と孫娘のふたりの映画ですがセリフがほとんどなくて、時々遠くに聞こえる銃撃戦の音、敵を探してボートでやってくる兵士たち。
ラストも衝撃的で、こんな終わり方をしてしまうのかと驚いてしまいました。

二つともアブハジア紛争がテーマの反戦映画なんですが、この国の背景が日本人にはちょっとわかり難い映画です。
私もまったくわからないまま鑑賞しました。
内容に触れますのでこれからご覧の方はご注意ください。

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1991年にソ連が崩壊した後、その一共和国だったジョージア(=グルジア)は独立します。

しかし、ジョージア国内で民族運動が高まり、西部のアブハジア自治共和国が反発、翌年に両者の間で激しい戦闘となってしまいます。
〝アブハジア紛争”と呼ばれるこの戦闘で多くの難民を出し、国は戦火に包まれ荒れ果ててしいます。

そんなアブハジア紛争中のお話です。
アブハジア自治共和国のエストニア人集落で(ほらまったくわからなくなってきたでしょ)老人イヴォ(レンビット・ウルフサック)とマルゴス(エルモ・ヌガネン)は家の前で戦って傷ついた兵士をみつけます。

イヴォとマルゴスはエストニア人です。(バルト三国のエストニア、つまり紛争には関係ない民族です)

エストニア人はほとんど自分の国に帰ってしまっているんですが、この村には数人のエストニア人が残っていました。
マルゴスはどうしても自分の山のみかん(マンダリンって言ってます)を収穫したいので、そのみかんを入れるための木箱をイヴォが作っているのです。

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助けた青年はアブハジアを支援するチェチェン兵のアハメド(ギオルギ・ナカシゼ)。
家族のためにお金を稼ぐために傭兵になってここで戦っています。

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そしてもう一人はジョージア兵のニカ(ミヘイル・メヒス)。
紛争の前は役者をしていたと話すニカ。

先に傷が治ってきたアハメドはニカを今にも殺しそうな勢いでした。
でもこの家では殺し合いは許さないという命の恩人イヴォの言葉に従って数日間を過ごします。

この家を出たらお前をぶっ殺すからな、とニカを脅すアハメド、アブハジア側とジョージア側の敵兵同士とそしてどちらでもないエストニア人の老人との3人の生活が始まります。

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宗教も言葉も育った環境も違う2人の間には少しづつですが心が通じ合いはじめます。

やがてこの戦争が終わったらアハメドと二人で役者に復帰したニカの舞台を観に行って拍手をおくりたいなんてイヴォからの話も出て笑い合う穏やかな時間もやってきます。
ですがそんなある日、イヴォの家の前にアブハジア軍のトラックがやってきて、あっという間に銃撃戦が始まるのです。

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国と国、民族と民族の戦いだと個人の顔が見えず平気で殺し合えるんですね。

イヴォの友人のマルゴスも、ジョージア兵のニカもこの銃撃戦で命を奪われてしまします。
その怒りで味方のアブハジア軍をアメハドは全員殺します。

助かったイヴォとアメハドはみかんの木箱の板でマルゴスとニカの棺桶を作ります。
マルゴスは自分のみかんの山に葬られ、ニカは別の場所に埋められます。

イヴォがニカの埋葬場所に選んだ場所は自分の息子の墓の隣でした。
実はこの紛争でイヴォの息子も亡くなっていた事をアメハドは初めて聞かされます。

「俺も死んだらここに埋めてもらえたのか?」とアメハド。
「お前はもうちょっと離れたところにな」そう言って笑うイヴォ。
やがて傷も治ったアメハドはイヴォの家を出ていきます。

戦争は大切な人の命を奪い続けます。
それでもなお人間として、敵を憎む人生を送らない老人の姿に心が熱くなる静かな映画でした。

監督・脚本:ザザ・ウルシャゼ 


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シン・ゴジラ [映画【さ行】]

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話題のシン・ゴジラを観た。
2回観た。
なんでって、1回観たくらいじゃよくわかんないのだもの。
2回観たけど実はまだよくわからない。
みんなそうだから興行成績がどんどん伸びてるのね。
53億円を超えたって話、どこまで伸びるんだろう。


「お前たちも好きにしろ、俺も好きにする」
謎のことばと暗号を残して東京湾のクルーザーから消えたマキ教授。
同じ頃、巨大不明生物が羽田沖の海中から突然出現。

東京アクアラインが崩壊、逃げ惑う市民。
超早口でなに言ってるかわかんない政治家や官僚。
駆除するか捕獲するか、はたまた追い出すか?
法律がない、前例がない。

余貴美子の真っ黒なアイライン。
アメリカからの要人石原さとみ「あれはゴゥズィィィラよ」
長谷川博已「ん~、ゴジラにしよう」

果てしなく会議、会議、会議。
自衛隊:総理、撃ちますか、許可求む!
官僚:総理、ご決断を!
総理:そうか、仕方ないな。
自衛隊:総理、人がいます!
総理:攻撃、中止。
(観客:え、ええ~?)

ゴジラ:下あごパカーン!放射能ぐわー。
口からビーム!背中からもビーム!!ビーム!!!ビーム!!!!

どんどん巨大化すれゴジラを止めるのは、もう「かの国からの原子爆弾投下」しか方法はないのか!?

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主人公は内閣官房副長官の矢口(長谷川博已)。
羽田沖で何かが起っている時にネット情報で巨大生物の存在を疑うも、大杉蓮演じる総理大臣ほか誰も相手にしちゃくれない。
海底火山だろ、きっと、そうだそうだ。

しかしそれが本当に巨大生物だとわかっても有識者を集めてのミーティングで無駄な時間は過ぎていき・・・ああ政治家ってきっとこんな感じなんだろうなあって観客は苦笑い。

今撃つしかないでしょ!?って時も判断は出来ない総理。
そんな役に立たない政治家たちがごっそり乗ったヘリが墜落。
そこから若い方々が上下関係なしでゴジラと戦っていくのね。
肩書がどんどん変わって画面の下に、注釈が画面の右に左にとガンガン出ては消えていく。
この速さからして読ませる気はないわね、気にしなくてもいいのね。

ゴジラはなんと進化していきます。
しっぽが海の中からちょっとだけ見えてる第一形態。
ほとんど姿は見えず。

多摩川河口から地上に上がってエラがあり両生類みたいな形の第二形態。
途中でエラから血をどばーっと出します、あれで肺呼吸になったのかもしれません。

やがて北品川あたりで少し大きくなって小さな手がにょきっと生え二本足で立ちあがる第三形態。
ここで撃ってればいいのに攻撃は中止で、海に逃げちゃいます。

そして倍以上に巨大化してしまった第四形態、ポスターはこれです。
眼も変わってるの。
両生類の時は濁った白い眼なのに大きくなったら怪獣の眼に。
鎌倉から上陸し北上していくゴジラ。
東京はゴジラに破壊され東京駅でストップ。
第四形態のゴジラには自衛隊のヘリ、戦車からの攻撃では全くダメ、米国の力を借りることとなる。
国連の原爆攻撃の前に矢口はゴジラを凍結させる作戦をたてるのだが・・・。

ゴジラは体内に原子炉状の器官があってあたかも動く原発。
そんなゴジラがなぜ日本のしかも東京に進路をとるのか。
日本はゴジラを凍結させるという方法で共存していくしかない。
この映画は東日本大震災を暗示しているとも言われています。

マキ教授もどうなったのかわかんないし、ラストシーンにもあれはなんだ?ということで、まったく謎が多い映画でした。
ぜひ大きな画面の劇場でどうぞ。

総監督・脚本・編集:庵野秀明 監督・特技監督:樋口真嗣  
日本初のフルCG・ゴジラのモーションキャプチャは野村萬斎。
そしてゴジラの主題曲はやっぱり名曲ですね。


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八月の狂詩曲 [映画【は行】]

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8月9日は長崎に原爆が落とされた日。
それに合わせての企画だと思うのですが、NHKBS<プレミアムシネマ>で黒澤明監督の『八月の狂騒曲(ラプソディー)』(1991)が放映されたので録画で鑑賞しました。

長崎市から少し離れた山里。
夏休みで田舎の家にやってきた4人の10代の孫たちと、今も原爆に苦しむおばあちゃん(村瀬幸子)のお話です。

おばあちゃんにはハワイに移住した兄がいて、その兄が最近具合が悪いので妹に会いたい、ハワイに来てくれないかと連絡してきているのですが、しかし沢山の兄弟がいたというおばあちゃんにはハワイの兄の記憶が全くないのです。

今ではパイナップル王で大金持ちと聞いたおばあちゃんの娘と息子(つまり孫たちの親)が速攻でハワイに出かけて写真と手紙を送ってきます。
「おばあちゃん、ハワイに一緒に行こうよ」とねだる孫たち、でもおばあちゃんにとってはまったく記憶がない外国の兄のところに行くより、ここで過ごす、4人の可愛い孫と一緒のこの夏の生活が楽しくてしょうがありません。

やがて孫たちはおばあちゃんの記憶を探り始めます。
でもおばあちゃんの記憶から出てくるのは夫であるおじいちゃんが長崎に投下された原爆(ぴか)によって亡くなっていたこと、おばあちゃんの他の兄たちの事、近所に住む同じ原爆で肉親を失った人たち、山の奥の谷に住む河童の話などです。
やがて孫たちはおじいちゃんの勤務先だった小学校にも行って原爆の恐ろしさを体感していきます。

そんな中、ハワイから甥のクラーク(リチャード・ギア)がやってきます。
おじいちゃんが原爆で亡くなったという事を知られるのはまずい、気分を害するんじゃないかと心配する親たち。
アメリカ人は原爆の話が嫌いなはずだといい出します。

でもクラークはおばあちゃんと仲良くなり、おばあちゃんも8月9日のおじいちゃんの命日である原爆忌を終えたらハワイに行って兄に会う決心をしますが、ハワイからクラークの父が亡くなったという電報が届くのです。 

 

原作は芥川賞作家の村田喜代子さんの『鍋の中』を元に映画化したものです。
おばあちゃんの心の鍋の中を覗くと色々なものが入っている、ってことなのかしら。
映画は原作からかなり脚色されているようで戦争色が濃くなっている感じです。

25年前の映画なもんですから大学生役の孫の一人の吉岡秀隆が若い!
そしてなんとリチャード・ギアも出演してる・・・やはりすごく若い!!

原作もですが映画も観たことが無く、ちょっと眠くなるようなのどかな田舎の風景から段々と原爆に対する恐怖や怒りのシーンが織り込まれていき、やがてハワイの兄が亡くなったことを電報で知ったあたりからおばあちゃんの様子はおかしくなってしまいます。

最後のシーンに流れる「野ばら」の曲。
正直、監督がいいたかったことはよくわかんない部分も多いけど、おばあちゃんはラストで清らかに咲く野ばらのような少女の心となって土砂降りの中を傘をさして走る、走る。
そしてそんなばあちゃんを孫が追いかけ、息子と娘が追いかけ・・・。
傘は雨風で反り返り、それどもおばあちゃんはぴかの落ちた長崎に、夫の元へと突っ走る、そんな悲しいシーンで終わる映画でした。とても最後は印象的です。


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AMY エイミー [映画【あ行】]

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今年のアカデミー賞長編ドキュメンタリー賞受賞映画です。

2011年7月23日、今から5年前にアルコール過剰摂取で夭折したイギリスの歌手、エイミー・ワインハウス。
ミック・ジャガーやトニー・ベネットらにその歌声を絶賛され、今もレディー・ガガ、アデルら、多くのミュージシャンに影響を与えています。

彼女の突然の死。
その謎をデビュー当時から追ったドキュメンタリ―です。
享年27歳という若さでした。

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1983年、ユダヤ系イギリス人の両親の元に生まれたエイミーは、父親の浮気での離婚という複雑な家庭環境が原因で幼いころから心に傷がある少女として成長。

でも彼女には当時の音楽プロデューサー・サラーム・レミに
「彼女の歌を聞いた瞬間、本物だと思った。まるで65歳の熟練のジャズ歌手みたいな歌い方だ。18でこれじゃ25になったらどうなるんだろうと思った。」と言わせる天才的な声がありました。

やがて18歳でレコード会社との契約、20歳でデビュー。
ファーストアルバム『Frank』は英国内では67万枚のヒットとなり、続くセカンドアルバムの『Back To Black』は全英1位、米国でも7位の1200万枚のセールスを記録。

その後シングルの『Rehab』で2008年のグラミー賞5部門で受賞。

この輝かしい経歴の裏で、彼女の私生活は荒れてゴシップまみれ。
『Back To Black』の時は女たらしと有名なと男と付き合いますが彼の方から別れを切り出され、「あなたは彼女の元に戻り、私は戻る、暗闇に」と彼との別れが歌詞に。

さらにその後別の男と結婚すると、夫は薬物中毒やアルコール依存症のとんでもない男で、その影響で彼女自身も麻薬と酒にのめり込みます。
『Rehab』は夫と共にリハビリ施設に入所したこの時の体験が元になっています。
「リハビリに行けってみんな必死だったのよ、でもあたしの返事はNo No NO」
「あたしにはそんな時間はないわけよ、パパが大丈夫だっていうなら尚更ね」
(その後、暴力事件で逮捕された夫はエイミーを捨て他の女性と結婚します。)

自分の実体験をそのまま歌詞にして歌うスタイルのエイミー。

映画では今までは知られていなかった彼女の真の姿を、たくさん残されていたプライベートビデオやエイミーの親しい友人、レコード会社関係者、両親、元夫、元恋人などのインタビューを交えて時系列に語っていきます。
世界的に有名になってしまってからは芸能記者に常に追われる姿が痛々しいです。

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2011年6月、死の1か月前、セルビアで2万人の観客を集めた野外コンサートでへたりこみ歌い出すことすら出来ないエイミー。
大変なブーイングをうけ、その後の活動中止が発表されるコンサートでしたが、彼女がその時どんな状態だったのか。

夫と共に始めた麻薬とアルコールで心身ともにボロボロ。
医師からいつ心臓が止まるかもしれないと宣言されていた事実が語られます。
その前の晩も「歌えない、歌いたくない」と言っていた本人を無理やり叩き起こして連れていったのはこれが大金が動くショービジネスの世界の恐ろしさかなと思えました。

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父親、恋人、夫はともに女にだらしない男ばかり。
みんな都合よくエイミーを利用しています。

激しい恋愛関係にボロボロになりながら、でも彼女が求めたのはそんな男たちばかりで・・・。
歌うことは好き。
でもそれよりも誰かにただ一人の人として愛されたい。
夫に嫌われないためにはなんでもやってきたエイミー。
そして命までも差し出してしまった、そんなエイミーの不器用な生き方が悲しかったです。

彼女の歌声を改めて聞きたくなる映画でした。 

現在大阪では シネマート心斎橋、 シネ・リーブル梅田にて上映中。

監督:アシフ・カパディア

 

 


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シネマ歌舞伎 歌舞伎NEXT 阿弖流為〈アテルイ〉 [映画【さ行】]

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2015年に新橋演舞場で上演の「歌舞伎NEXT阿弖流為」を収録したものです。

シネマ歌舞伎とは松竹株式会社が制作する映像作品の名称で、歌舞伎の舞台公演を好感度カメラで撮影しスクリーンで上映するものです。

いいところは役者さんの表情、メイク、衣装のすばらしさが間近で観れること。
ライトで常に照らされてあんなにも汗をかきながら演じているのか、かなりの重労働なんだろうなと思ったりします。

残念なとこはアップが多いので全体が観れない事、映画だと拍手が出来ない事、でしょうか。
でも映画にしてはお高めの2100円のチケット代もけっして惜しくない面白さでした。
生で観たかったと思いました。

特別興行で大阪ステーションシネマにて鑑賞。

1日1回の上映で朝9時から途中10分の休憩あり、12時20分まで。
時間も長いのですけど2転3転するストーリーにドキドキです。
新感線の舞台はよく観ますが歌舞伎って観たことがないのでお話についていけなかったらどうしよう、なんて上映前の心配も吹っ飛びました。とにかく面白いし、音と光もすごいです。

日本人ですけど見得を切ってる姿にもなんだか感動。
高速の殺陣もあればスローモーションで演じるところもありで、着ぐるみのクマが出てきたり・・・。
でもこの左耳に花をおしたクマ子に最後は泣かされちゃうなんてわかんないもんですね~。

 

お話は平安時代のはじめの頃。
日本統一を目指す大和朝廷は北の民・蝦夷の討伐をもくろんでいます。
都では立烏帽子という輩が暴れており、そこに現れた正義感の強い青年・坂上田村麻呂(中村勘三郎)と、名前を失くした男・北の狼(市川染五郎)が出会い友情に似た感情が生まれます。

実は北の狼は蝦夷の長の息子・阿弖流為であり、故郷で神の使いを殺した罪で記憶を消されて追放された身の上でした。
しかし恋人の立烏帽子、鈴鹿(中村七之助)と都で偶然出会ったことで記憶が戻り、ふたりは蝦夷を守るため帰郷することになります。
一方、実はいいとこの坊ちゃんだった坂上田村麻呂。
大和朝廷軍のリーダー・日本初の征夷大将軍に任命され、阿弖流為討伐で蝦夷に向かうこととなります。
ふたりの若者の運命はどうなっていくのか、宿命の対決の日も近くなり・・・・というところです。

「千と千尋の神隠し」みたいに本当の名前を奪われるとか、「もののけ姫」みたいに神様を殺しちゃったり、ジブリのアニメの世界みたいな世界観。
平安時代って神や妖怪、もののけが人と近い関係なんですね。

お話も先が読めずいい人かと思ってた人が実は悪人だったり、北の民なのに命が惜しくて阿弖流為を裏切るただの脇役だと思っていた蛮甲(片岡亀蔵)がヒール役で大活躍。

大阪では先週で終わりましたけどこれからみれる地域にお住まいならぜひご覧ください。

 


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ブルックリン [映画【は行】]

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今年のアカデミー賞の作品賞・脚色賞・主演女優賞でノミネート。
残念ながら受賞はありませんでした。

カナダではかなりの興行成績をあげたようですし、英国・オーストラリア・カナダ・アメリカでの映画賞で数々のノミネートや受賞をしています。

日本では公開が遅かったしあまり話題にもなってはいませんが少女の心の中を等身大に描く印象的な映画でした。
原作はコムル・トービンの同名小説
アイルランドイギリス・カナダ合作映画です。

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春に観た映画でモーガン・フリーマン主演の「ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります」っていう映画のレビュー書きました。
ニューヨークのブルックリンに住む老夫婦が、結婚の時に買った古いアパートを売って便利な部屋を探すお話です。
ブルックリンの部屋は人気でかなり高く売れそうでしたが、でも結局思い出のいっぱい詰まった部屋は手放せませんでした。

その舞台でもある〝ブルックリン”はニューヨークではマンハッタンの河を隔てた向こう側、元々は移民が多く暮らす街。
この映画の主人公の少女が海を渡った頃は老夫婦が結婚した時と同時代かもう少し前くらいなのかな?と思います。

「ここは昔はそんなおしゃれな街じゃなかったのになあ」ってモーガン・フリーマンも愛犬に呟いていましたしね。

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時は1951年。
アイルランドに住むエイリシュ(シアーシャ・ロ―ナン)は幼い頃に父親も亡くなっており、病気がちの母と姉と3人暮らしです。
田舎の故郷では仕事もないし、ダンスに行っても誘われるのは美人の親友だけ、内気なエイリシュに声をかける男性もいません。

そんなエイリシュは姉の勧めでアメリカのブルックリンで働くことになります。
知り合いは姉が懇意にする神父さんだけでした。

やがて船で海を渡り、アイルランドから舞台はアメリカへ。

故郷の訛りが抜けないエイリシュ、デパートの店員をしながら見知らぬ都会で寂しさで心が折れそう。
姉に手紙を書くことだけが楽しみでしたが、イタリア人の配管工のトニーと付き合い始めたことがきっかけで都会での暮らしにも徐々に慣れ始め、目標の簿記の資格試験にも無事に合格。

全てが上向きになってきたころ、最愛の姉が亡くなったという知らせを受け取るのです。

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トニーには1か月ほど故郷に戻ると告げて姉のいない実家に帰ると、故郷はそのままでしたが自分を見る周りの眼が変わっていました。

もうエイリシュは内気で冴えない田舎の少女ではありません。
姉が勤めていた会社で経理の仕事もテキパキこなし、アメリカの洗練されたファッションを身に着けすっかり都会的の女性と変わったエイリシュ。
以前はスル―されてた故郷の男性も声をかけてきます。 

実はトニーとアメリカを出る前に結婚届を提出してきていたエイリシュでしたが、母には結婚していることは隠したままです。
母はアイルランドの男性と結婚してほしい様子で、なにかと理由をつけてアメリカに帰るのを延ばさせます。

アメリカに行く前にこんな環境だったら・・・仕事があって、親友もいて、素敵なお金持ちの男性から結婚してほしいと望まれて。
トニーの元に帰らなきゃと思う反面、今の生活も捨てがたいと考え始めるエイリシュ。

彼女が選ぶのはアイルランドなのかブルックリンなのか。

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都会の暮らしと故郷の両方を無意識に天秤にかけているようなエイリシュの姿は女性なら共感できるけど男性が観たらどう思うのかしら。ずるい女なのかな。
ふたりの男性はそれぞれ誠実な人だけにドキドキです。

田舎は美しい自然があるけど煩わしい人間関係もあり、都会では便利な暮らしがあるけど家族との暮らしはない。
そんなエピソードが最初から最後までとっても丁寧に描かれています。
ラストで意地悪な雑貨屋のおばちゃんに放つエイリシュのセリフにも「あーわかる」って思ってしましました。

主演のシアーシャ・ロ―ナンはアメリカ生まれのアイルランド育ち。
ご両親もアイルランド人。
相変わらす青い目は引き込まれそうでかわいい。
主人公の成長と、ファッションも田舎と都会で比べたりで見どころの一つです。
美少女のシアーシャも今回はすっかり大人の女性の雰囲気です。

監督はジョン・クローリー 

 

 


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