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シネマ歌舞伎 スーパー歌舞伎II ワンピース [映画【さ行】]

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まさかの歌舞伎化!
ついに映画館に登場!!

世界累計発行部数が3億2000万部を超える尾田栄一郎原作の国民的人気漫画「ワンピース」を歌舞伎に大胆にアレンジ。
2015年の10月と11月に東京新橋演舞場、16年3月に大阪松竹座、4月に福岡博多座で公演を重ね、20万人を動員した舞台を今週(10/22土から11/11金)≪月イチ歌舞伎≫を上演する映画館で観ることが出来ます。

スーパー歌舞伎とは3代目市川猿之助が1986年 に始めた現代風歌舞伎で「ヤマトタケル」「新・三国志」などがあります。
スーパー歌舞伎Ⅱ(セカンド)「ワンピース」は4代目市川猿之助の制作・主演です。
横内謙介脚本演出、主題歌はゆずの北川悠仁。
新橋演舞場・平成27年度(題70回)文化庁芸術祭賞・演劇部門関東参加公演の部で、優秀賞を受賞しています。

主演は4代目市川猿之助。ルフィとハンコック、ジャンクスの一人三役。

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原作エピソードの中でも激闘が繰り広げられる「頂上戦争編」がベースです。
原作だと51~61巻あたりなんだとか。

秘宝ワンピースを探す航海の途中の海賊のルフィとその仲間たち麦わらの一味。
シャボンティ諸島での海軍との戦いでちりじりとなってしまう。
そんな時、黒ひげによって捕まった兄エースが処刑されると知らせを受けたルフィは、エースを助けるためにボン・クレーと海軍との戦いに挑むのだが・・・。

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歌舞伎ですから着物ベースの衣装ですけど、でも洋風なのです。
パンチパーマでサングラスのお方も出てきてメイクも衣装もなかなか面白かったです。
スナックママ風のピンクの着物姿のナミだけはこれはだれ?って感じでしたけどね。
チョッパーは最初はウソップが持ってるぬいぐるみでした。

頂上決戦編は麦わら一味は吹き飛ばされてちりじりになってしまいます。
なのでメンバーの助けはなく、ルフィは一人海底監獄に兄のエース救助に向かいます。

俳優の福士誠治さんが兄のエースを演じていました。
スーパー歌舞伎って、歌舞伎役者さん達だけじゃないんだ、って型にはまらない配役にも感心しつつ、中盤の戦いでは舞台に滝が作り出されて、滝にうたれながらの戦いがこりゃすごい、どうやってあの水が舞台にとびっくり仰天。
そして宙にも浮いてしまうルフィには会場も大喝采、楽しませてくれますよね。

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「海賊王に俺はなる!」ってセリフで誰もが知るワンピースの世界。
歌舞伎になっても少年週刊ジャンプらしい友情・努力・勝利の要素満載です。

ゴムゴムの実を食べたルフィは手がにょろにょろ伸びますが、黒子さん達の腕をつないで伸びているように見せたり、歌舞伎独特の鮮やかな立ち回りや見事な見得を何回も切ってくれますし、歌舞伎ファンもなっとくの舞台になっていると思いました。
プロジェクションマッピングもたくさん使ってお話が進んでいくので新感覚歌舞伎です。
とことん楽しんで制作されてるって感じです。

入手困難でちょっとお高めの歌舞伎をお近くの映画館で観れるのはいいですね。
来年新橋で再演が決まったと映画の最後に出てましたから、これで気になったら本物を観に行くのもいいですね。

 

 


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みかんの丘 [映画【ま行】]

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テアトル梅田にて。
みかんの丘』は『とうもろこしの島』と一緒に公開されていて、先に『とうもろこしの島』を観てからこちらも鑑賞しました。

『とうもろこしの島』では敵対する二つの民族の間に流れる大きな川の中州にトウモロコシを植える老人の話です。
戦争が起きる前からずっと行われていた伝統的なトウモロコシ栽培。
老人と孫娘のふたりの映画ですがセリフがほとんどなくて、時々遠くに聞こえる銃撃戦の音、敵を探してボートでやってくる兵士たち。
ラストも衝撃的で、こんな終わり方をしてしまうのかと驚いてしまいました。

二つともアブハジア紛争がテーマの反戦映画なんですが、この国の背景が日本人にはちょっとわかり難い映画です。
私もまったくわからないまま鑑賞しました。
内容に触れますのでこれからご覧の方はご注意ください。

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1991年にソ連が崩壊した後、その一共和国だったジョージア(=グルジア)は独立します。

しかし、ジョージア国内で民族運動が高まり、西部のアブハジア自治共和国が反発、翌年に両者の間で激しい戦闘となってしまいます。
〝アブハジア紛争”と呼ばれるこの戦闘で多くの難民を出し、国は戦火に包まれ荒れ果ててしいます。

そんなアブハジア紛争中のお話です。
アブハジア自治共和国のエストニア人集落で(ほらまったくわからなくなってきたでしょ)老人イヴォ(レンビット・ウルフサック)とマルゴス(エルモ・ヌガネン)は家の前で戦って傷ついた兵士をみつけます。

イヴォとマルゴスはエストニア人です。(バルト三国のエストニア、つまり紛争には関係ない民族です)

エストニア人はほとんど自分の国に帰ってしまっているんですが、この村には数人のエストニア人が残っていました。
マルゴスはどうしても自分の山のみかん(マンダリンって言ってます)を収穫したいので、そのみかんを入れるための木箱をイヴォが作っているのです。

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助けた青年はアブハジアを支援するチェチェン兵のアハメド(ギオルギ・ナカシゼ)。
家族のためにお金を稼ぐために傭兵になってここで戦っています。

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そしてもう一人はジョージア兵のニカ(ミヘイル・メヒス)。
紛争の前は役者をしていたと話すニカ。

先に傷が治ってきたアハメドはニカを今にも殺しそうな勢いでした。
でもこの家では殺し合いは許さないという命の恩人イヴォの言葉に従って数日間を過ごします。

この家を出たらお前をぶっ殺すからな、とニカを脅すアハメド、アブハジア側とジョージア側の敵兵同士とそしてどちらでもないエストニア人の老人との3人の生活が始まります。

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宗教も言葉も育った環境も違う2人の間には少しづつですが心が通じ合いはじめます。

やがてこの戦争が終わったらアハメドと二人で役者に復帰したニカの舞台を観に行って拍手をおくりたいなんてイヴォからの話も出て笑い合う穏やかな時間もやってきます。
ですがそんなある日、イヴォの家の前にアブハジア軍のトラックがやってきて、あっという間に銃撃戦が始まるのです。

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国と国、民族と民族の戦いだと個人の顔が見えず平気で殺し合えるんですね。

イヴォの友人のマルゴスも、ジョージア兵のニカもこの銃撃戦で命を奪われてしまします。
その怒りで味方のアブハジア軍をアメハドは全員殺します。

助かったイヴォとアメハドはみかんの木箱の板でマルゴスとニカの棺桶を作ります。
マルゴスは自分のみかんの山に葬られ、ニカは別の場所に埋められます。

イヴォがニカの埋葬場所に選んだ場所は自分の息子の墓の隣でした。
実はこの紛争でイヴォの息子も亡くなっていた事をアメハドは初めて聞かされます。

「俺も死んだらここに埋めてもらえたのか?」とアメハド。
「お前はもうちょっと離れたところにな」そう言って笑うイヴォ。
やがて傷も治ったアメハドはイヴォの家を出ていきます。

戦争は大切な人の命を奪い続けます。
それでもなお人間として、敵を憎む人生を送らない老人の姿に心が熱くなる静かな映画でした。

監督・脚本:ザザ・ウルシャゼ 


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シン・ゴジラ [映画【さ行】]

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話題のシン・ゴジラを観た。
2回観た。
なんでって、1回観たくらいじゃよくわかんないのだもの。
2回観たけど実はまだよくわからない。
みんなそうだから興行成績がどんどん伸びてるのね。
53億円を超えたって話、どこまで伸びるんだろう。


「お前たちも好きにしろ、俺も好きにする」
謎のことばと暗号を残して東京湾のクルーザーから消えたマキ教授。
同じ頃、巨大不明生物が羽田沖の海中から突然出現。

東京アクアラインが崩壊、逃げ惑う市民。
超早口でなに言ってるかわかんない政治家や官僚。
駆除するか捕獲するか、はたまた追い出すか?
法律がない、前例がない。

余貴美子の真っ黒なアイライン。
アメリカからの要人石原さとみ「あれはゴゥズィィィラよ」
長谷川博已「ん~、ゴジラにしよう」

果てしなく会議、会議、会議。
自衛隊:総理、撃ちますか、許可求む!
官僚:総理、ご決断を!
総理:そうか、仕方ないな。
自衛隊:総理、人がいます!
総理:攻撃、中止。
(観客:え、ええ~?)

ゴジラ:下あごパカーン!放射能ぐわー。
口からビーム!背中からもビーム!!ビーム!!!ビーム!!!!

どんどん巨大化すれゴジラを止めるのは、もう「かの国からの原子爆弾投下」しか方法はないのか!?

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主人公は内閣官房副長官の矢口(長谷川博已)。
羽田沖で何かが起っている時にネット情報で巨大生物の存在を疑うも、大杉蓮演じる総理大臣ほか誰も相手にしちゃくれない。
海底火山だろ、きっと、そうだそうだ。

しかしそれが本当に巨大生物だとわかっても有識者を集めてのミーティングで無駄な時間は過ぎていき・・・ああ政治家ってきっとこんな感じなんだろうなあって観客は苦笑い。

今撃つしかないでしょ!?って時も判断は出来ない総理。
そんな役に立たない政治家たちがごっそり乗ったヘリが墜落。
そこから若い方々が上下関係なしでゴジラと戦っていくのね。
肩書がどんどん変わって画面の下に、注釈が画面の右に左にとガンガン出ては消えていく。
この速さからして読ませる気はないわね、気にしなくてもいいのね。

ゴジラはなんと進化していきます。
しっぽが海の中からちょっとだけ見えてる第一形態。
ほとんど姿は見えず。

多摩川河口から地上に上がってエラがあり両生類みたいな形の第二形態。
途中でエラから血をどばーっと出します、あれで肺呼吸になったのかもしれません。

やがて北品川あたりで少し大きくなって小さな手がにょきっと生え二本足で立ちあがる第三形態。
ここで撃ってればいいのに攻撃は中止で、海に逃げちゃいます。

そして倍以上に巨大化してしまった第四形態、ポスターはこれです。
眼も変わってるの。
両生類の時は濁った白い眼なのに大きくなったら怪獣の眼に。
鎌倉から上陸し北上していくゴジラ。
東京はゴジラに破壊され東京駅でストップ。
第四形態のゴジラには自衛隊のヘリ、戦車からの攻撃では全くダメ、米国の力を借りることとなる。
国連の原爆攻撃の前に矢口はゴジラを凍結させる作戦をたてるのだが・・・。

ゴジラは体内に原子炉状の器官があってあたかも動く原発。
そんなゴジラがなぜ日本のしかも東京に進路をとるのか。
日本はゴジラを凍結させるという方法で共存していくしかない。
この映画は東日本大震災を暗示しているとも言われています。

マキ教授もどうなったのかわかんないし、ラストシーンにもあれはなんだ?ということで、まったく謎が多い映画でした。
ぜひ大きな画面の劇場でどうぞ。

総監督・脚本・編集:庵野秀明 監督・特技監督:樋口真嗣  
日本初のフルCG・ゴジラのモーションキャプチャは野村萬斎。
そしてゴジラの主題曲はやっぱり名曲ですね。


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八月の狂詩曲 [映画【は行】]

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8月9日は長崎に原爆が落とされた日。
それに合わせての企画だと思うのですが、NHKBS<プレミアムシネマ>で黒澤明監督の『八月の狂騒曲(ラプソディー)』(1991)が放映されたので録画で鑑賞しました。

長崎市から少し離れた山里。
夏休みで田舎の家にやってきた4人の10代の孫たちと、今も原爆に苦しむおばあちゃん(村瀬幸子)のお話です。

おばあちゃんにはハワイに移住した兄がいて、その兄が最近具合が悪いので妹に会いたい、ハワイに来てくれないかと連絡してきているのですが、しかし沢山の兄弟がいたというおばあちゃんにはハワイの兄の記憶が全くないのです。

今ではパイナップル王で大金持ちと聞いたおばあちゃんの娘と息子(つまり孫たちの親)が速攻でハワイに出かけて写真と手紙を送ってきます。
「おばあちゃん、ハワイに一緒に行こうよ」とねだる孫たち、でもおばあちゃんにとってはまったく記憶がない外国の兄のところに行くより、ここで過ごす、4人の可愛い孫と一緒のこの夏の生活が楽しくてしょうがありません。

やがて孫たちはおばあちゃんの記憶を探り始めます。
でもおばあちゃんの記憶から出てくるのは夫であるおじいちゃんが長崎に投下された原爆(ぴか)によって亡くなっていたこと、おばあちゃんの他の兄たちの事、近所に住む同じ原爆で肉親を失った人たち、山の奥の谷に住む河童の話などです。
やがて孫たちはおじいちゃんの勤務先だった小学校にも行って原爆の恐ろしさを体感していきます。

そんな中、ハワイから甥のクラーク(リチャード・ギア)がやってきます。
おじいちゃんが原爆で亡くなったという事を知られるのはまずい、気分を害するんじゃないかと心配する親たち。
アメリカ人は原爆の話が嫌いなはずだといい出します。

でもクラークはおばあちゃんと仲良くなり、おばあちゃんも8月9日のおじいちゃんの命日である原爆忌を終えたらハワイに行って兄に会う決心をしますが、ハワイからクラークの父が亡くなったという電報が届くのです。 

 

原作は芥川賞作家の村田喜代子さんの『鍋の中』を元に映画化したものです。
おばあちゃんの心の鍋の中を覗くと色々なものが入っている、ってことなのかしら。
映画は原作からかなり脚色されているようで戦争色が濃くなっている感じです。

25年前の映画なもんですから大学生役の孫の一人の吉岡秀隆が若い!
そしてなんとリチャード・ギアも出演してる・・・やはりすごく若い!!

原作もですが映画も観たことが無く、ちょっと眠くなるようなのどかな田舎の風景から段々と原爆に対する恐怖や怒りのシーンが織り込まれていき、やがてハワイの兄が亡くなったことを電報で知ったあたりからおばあちゃんの様子はおかしくなってしまいます。

最後のシーンに流れる「野ばら」の曲。
正直、監督がいいたかったことはよくわかんない部分も多いけど、おばあちゃんはラストで清らかに咲く野ばらのような少女の心となって土砂降りの中を傘をさして走る、走る。
そしてそんなばあちゃんを孫が追いかけ、息子と娘が追いかけ・・・。
傘は雨風で反り返り、それどもおばあちゃんはぴかの落ちた長崎に、夫の元へと突っ走る、そんな悲しいシーンで終わる映画でした。とても最後は印象的です。


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AMY エイミー [映画【あ行】]

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今年のアカデミー賞長編ドキュメンタリー賞受賞映画です。

2011年7月23日、今から5年前にアルコール過剰摂取で夭折したイギリスの歌手、エイミー・ワインハウス。
ミック・ジャガーやトニー・ベネットらにその歌声を絶賛され、今もレディー・ガガ、アデルら、多くのミュージシャンに影響を与えています。

彼女の突然の死。
その謎をデビュー当時から追ったドキュメンタリ―です。
享年27歳という若さでした。

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1983年、ユダヤ系イギリス人の両親の元に生まれたエイミーは、父親の浮気での離婚という複雑な家庭環境が原因で幼いころから心に傷がある少女として成長。

でも彼女には当時の音楽プロデューサー・サラーム・レミに
「彼女の歌を聞いた瞬間、本物だと思った。まるで65歳の熟練のジャズ歌手みたいな歌い方だ。18でこれじゃ25になったらどうなるんだろうと思った。」と言わせる天才的な声がありました。

やがて18歳でレコード会社との契約、20歳でデビュー。
ファーストアルバム『Frank』は英国内では67万枚のヒットとなり、続くセカンドアルバムの『Back To Black』は全英1位、米国でも7位の1200万枚のセールスを記録。

その後シングルの『Rehab』で2008年のグラミー賞5部門で受賞。

この輝かしい経歴の裏で、彼女の私生活は荒れてゴシップまみれ。
『Back To Black』の時は女たらしと有名なと男と付き合いますが彼の方から別れを切り出され、「あなたは彼女の元に戻り、私は戻る、暗闇に」と彼との別れが歌詞に。

さらにその後別の男と結婚すると、夫は薬物中毒やアルコール依存症のとんでもない男で、その影響で彼女自身も麻薬と酒にのめり込みます。
『Rehab』は夫と共にリハビリ施設に入所したこの時の体験が元になっています。
「リハビリに行けってみんな必死だったのよ、でもあたしの返事はNo No NO」
「あたしにはそんな時間はないわけよ、パパが大丈夫だっていうなら尚更ね」
(その後、暴力事件で逮捕された夫はエイミーを捨て他の女性と結婚します。)

自分の実体験をそのまま歌詞にして歌うスタイルのエイミー。

映画では今までは知られていなかった彼女の真の姿を、たくさん残されていたプライベートビデオやエイミーの親しい友人、レコード会社関係者、両親、元夫、元恋人などのインタビューを交えて時系列に語っていきます。
世界的に有名になってしまってからは芸能記者に常に追われる姿が痛々しいです。

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2011年6月、死の1か月前、セルビアで2万人の観客を集めた野外コンサートでへたりこみ歌い出すことすら出来ないエイミー。
大変なブーイングをうけ、その後の活動中止が発表されるコンサートでしたが、彼女がその時どんな状態だったのか。

夫と共に始めた麻薬とアルコールで心身ともにボロボロ。
医師からいつ心臓が止まるかもしれないと宣言されていた事実が語られます。
その前の晩も「歌えない、歌いたくない」と言っていた本人を無理やり叩き起こして連れていったのはこれが大金が動くショービジネスの世界の恐ろしさかなと思えました。

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父親、恋人、夫はともに女にだらしない男ばかり。
みんな都合よくエイミーを利用しています。

激しい恋愛関係にボロボロになりながら、でも彼女が求めたのはそんな男たちばかりで・・・。
歌うことは好き。
でもそれよりも誰かにただ一人の人として愛されたい。
夫に嫌われないためにはなんでもやってきたエイミー。
そして命までも差し出してしまった、そんなエイミーの不器用な生き方が悲しかったです。

彼女の歌声を改めて聞きたくなる映画でした。 

現在大阪では シネマート心斎橋、 シネ・リーブル梅田にて上映中。

監督:アシフ・カパディア

 

 


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シネマ歌舞伎 歌舞伎NEXT 阿弖流為〈アテルイ〉 [映画【さ行】]

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2015年に新橋演舞場で上演の「歌舞伎NEXT阿弖流為」を収録したものです。

シネマ歌舞伎とは松竹株式会社が制作する映像作品の名称で、歌舞伎の舞台公演を好感度カメラで撮影しスクリーンで上映するものです。

いいところは役者さんの表情、メイク、衣装のすばらしさが間近で観れること。
ライトで常に照らされてあんなにも汗をかきながら演じているのか、かなりの重労働なんだろうなと思ったりします。

残念なとこはアップが多いので全体が観れない事、映画だと拍手が出来ない事、でしょうか。
でも映画にしてはお高めの2100円のチケット代もけっして惜しくない面白さでした。
生で観たかったと思いました。

特別興行で大阪ステーションシネマにて鑑賞。

1日1回の上映で朝9時から途中10分の休憩あり、12時20分まで。
時間も長いのですけど2転3転するストーリーにドキドキです。
新感線の舞台はよく観ますが歌舞伎って観たことがないのでお話についていけなかったらどうしよう、なんて上映前の心配も吹っ飛びました。とにかく面白いし、音と光もすごいです。

日本人ですけど見得を切ってる姿にもなんだか感動。
高速の殺陣もあればスローモーションで演じるところもありで、着ぐるみのクマが出てきたり・・・。
でもこの左耳に花をおしたクマ子に最後は泣かされちゃうなんてわかんないもんですね~。

 

お話は平安時代のはじめの頃。
日本統一を目指す大和朝廷は北の民・蝦夷の討伐をもくろんでいます。
都では立烏帽子という輩が暴れており、そこに現れた正義感の強い青年・坂上田村麻呂(中村勘三郎)と、名前を失くした男・北の狼(市川染五郎)が出会い友情に似た感情が生まれます。

実は北の狼は蝦夷の長の息子・阿弖流為であり、故郷で神の使いを殺した罪で記憶を消されて追放された身の上でした。
しかし恋人の立烏帽子、鈴鹿(中村七之助)と都で偶然出会ったことで記憶が戻り、ふたりは蝦夷を守るため帰郷することになります。
一方、実はいいとこの坊ちゃんだった坂上田村麻呂。
大和朝廷軍のリーダー・日本初の征夷大将軍に任命され、阿弖流為討伐で蝦夷に向かうこととなります。
ふたりの若者の運命はどうなっていくのか、宿命の対決の日も近くなり・・・・というところです。

「千と千尋の神隠し」みたいに本当の名前を奪われるとか、「もののけ姫」みたいに神様を殺しちゃったり、ジブリのアニメの世界みたいな世界観。
平安時代って神や妖怪、もののけが人と近い関係なんですね。

お話も先が読めずいい人かと思ってた人が実は悪人だったり、北の民なのに命が惜しくて阿弖流為を裏切るただの脇役だと思っていた蛮甲(片岡亀蔵)がヒール役で大活躍。

大阪では先週で終わりましたけどこれからみれる地域にお住まいならぜひご覧ください。

 


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ブルックリン [映画【は行】]

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今年のアカデミー賞の作品賞・脚色賞・主演女優賞でノミネート。
残念ながら受賞はありませんでした。

カナダではかなりの興行成績をあげたようですし、英国・オーストラリア・カナダ・アメリカでの映画賞で数々のノミネートや受賞をしています。

日本では公開が遅かったしあまり話題にもなってはいませんが少女の心の中を等身大に描く印象的な映画でした。
原作はコムル・トービンの同名小説
アイルランドイギリス・カナダ合作映画です。

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春に観た映画でモーガン・フリーマン主演の「ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります」っていう映画のレビュー書きました。
ニューヨークのブルックリンに住む老夫婦が、結婚の時に買った古いアパートを売って便利な部屋を探すお話です。
ブルックリンの部屋は人気でかなり高く売れそうでしたが、でも結局思い出のいっぱい詰まった部屋は手放せませんでした。

その舞台でもある〝ブルックリン”はニューヨークではマンハッタンの河を隔てた向こう側、元々は移民が多く暮らす街。
この映画の主人公の少女が海を渡った頃は老夫婦が結婚した時と同時代かもう少し前くらいなのかな?と思います。

「ここは昔はそんなおしゃれな街じゃなかったのになあ」ってモーガン・フリーマンも愛犬に呟いていましたしね。

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時は1951年。
アイルランドに住むエイリシュ(シアーシャ・ロ―ナン)は幼い頃に父親も亡くなっており、病気がちの母と姉と3人暮らしです。
田舎の故郷では仕事もないし、ダンスに行っても誘われるのは美人の親友だけ、内気なエイリシュに声をかける男性もいません。

そんなエイリシュは姉の勧めでアメリカのブルックリンで働くことになります。
知り合いは姉が懇意にする神父さんだけでした。

やがて船で海を渡り、アイルランドから舞台はアメリカへ。

故郷の訛りが抜けないエイリシュ、デパートの店員をしながら見知らぬ都会で寂しさで心が折れそう。
姉に手紙を書くことだけが楽しみでしたが、イタリア人の配管工のトニーと付き合い始めたことがきっかけで都会での暮らしにも徐々に慣れ始め、目標の簿記の資格試験にも無事に合格。

全てが上向きになってきたころ、最愛の姉が亡くなったという知らせを受け取るのです。

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トニーには1か月ほど故郷に戻ると告げて姉のいない実家に帰ると、故郷はそのままでしたが自分を見る周りの眼が変わっていました。

もうエイリシュは内気で冴えない田舎の少女ではありません。
姉が勤めていた会社で経理の仕事もテキパキこなし、アメリカの洗練されたファッションを身に着けすっかり都会的の女性と変わったエイリシュ。
以前はスル―されてた故郷の男性も声をかけてきます。 

実はトニーとアメリカを出る前に結婚届を提出してきていたエイリシュでしたが、母には結婚していることは隠したままです。
母はアイルランドの男性と結婚してほしい様子で、なにかと理由をつけてアメリカに帰るのを延ばさせます。

アメリカに行く前にこんな環境だったら・・・仕事があって、親友もいて、素敵なお金持ちの男性から結婚してほしいと望まれて。
トニーの元に帰らなきゃと思う反面、今の生活も捨てがたいと考え始めるエイリシュ。

彼女が選ぶのはアイルランドなのかブルックリンなのか。

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都会の暮らしと故郷の両方を無意識に天秤にかけているようなエイリシュの姿は女性なら共感できるけど男性が観たらどう思うのかしら。ずるい女なのかな。
ふたりの男性はそれぞれ誠実な人だけにドキドキです。

田舎は美しい自然があるけど煩わしい人間関係もあり、都会では便利な暮らしがあるけど家族との暮らしはない。
そんなエピソードが最初から最後までとっても丁寧に描かれています。
ラストで意地悪な雑貨屋のおばちゃんに放つエイリシュのセリフにも「あーわかる」って思ってしましました。

主演のシアーシャ・ロ―ナンはアメリカ生まれのアイルランド育ち。
ご両親もアイルランド人。
相変わらす青い目は引き込まれそうでかわいい。
主人公の成長と、ファッションも田舎と都会で比べたりで見どころの一つです。
美少女のシアーシャも今回はすっかり大人の女性の雰囲気です。

監督はジョン・クローリー 

 

 


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シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ [映画【さ行】]

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マーベル・コミック原作の「キャプテンアメリカ」シリーズ3作目です。
「アベンジャーズ・エイジ・オブ・ウルトロン」から1年後のお話となります。

元々そんなに好きなジャンルではないし、アメコミにもうそろそろ飽きてきたかな・・・なんて思って観に行きましたがごめんなさい、ストーリーもアクションもすごく面白かったです。
やはり続けてみることは大切ですね。
それにしてもマーベル映画、恐るべし。

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出来れば各シリーズ(キャプテン・アメリカ、アイアンマン、アベンジャーズ、アントマンなど)は多めに観ておいた方がいいです。
登場人物の性格とか生い立ちがわからないとこの映画だけだとわからない部分も多いかもしれません。

「アベンジャーズ・エイジ・オブ・ウルトロン」の戦いのあと、キャプテン・アメリカ=スティーブ・ロジャース(クリス・エヴァンス)率いるアベンジャーズはナイジェリアでヒドラの残党と戦っていたが、自爆を図ったヒドラメンバーを阻止しようとしたワンダ(エリザベル・オルセン)の超能力で一般市民が巻き込まれ多数の死者を出してしまう。

このことにより世界から批判を浴びることとなったアベンジャーズ。
常人を超えたヒーローやスパイから結成されたアベンジャーズを国連の管理下に置き、無許可での活動を規制しようという動きが出てくる。

同じ頃、過去のアベンジャーズの戦いで犠牲になった息子をもつ母親から責められたアイアンマン=トニー・スターク(ロバート・ダウニ―・Jr)。
ショックをうけたアイアンマンは国連の指示に賛成。
しかし、キャプテン・アメリカは「自分たちで判断し行動する権利が奪われる」と署名には反対、アベンジャーズを代表するアイアンマンとキャプテン・アメリカの二人の意見が真っ二つに分かれてしまう。

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やがてオーストリアのウィーンでアベンジャーズを国連の管理下に置く「ソコウィア協定」 の署名式が執り行われることとなる。
しかし署名式会場で爆弾テロが発生してしまい、演説中のワカンダ国王がその犠牲となる。

テロの犯人としてバッキー・バーンズ=ウィンター・ソルジャー(セバスチャン・スタン)が国際手配となるが、バッキーはキャプテン・アメリカの親友であり幼馴染。

バッキーを信じるスティ―ブは洗脳状態から覚めたバッキーの話しを聞き、シベリアにもバッキーとは別のウインター・ソルジャーが冷凍保存で眠っていることを知る。
彼らの復活と新たなテロを阻止するため、キャプテン・アメリカはファルコン(アンソニー・マッキー)、ホークアイ(ジェレミー・レナー)、ワンダ、アントマン(ポール・ラッド)たちと航空機を奪ってシベリアに飛ぼうとする。

しかしそんなこととは知らないアイアンマンは、ウォーマシン(ドン・チードル)、ナターシャ(スカーレット・ヨハンソン)、ウィジョン(ポール・ベタニー)、ブラックパンサー(チャドウィック・ボーズマン)、スパイダーマン(トム・ホランド)らと飛行場で激突するのだった。

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飛行場での内戦〝シビル・ウォー”の映像はものすごいです。
君たち意見が分かれたとしても仲間でしょ?と思うくらい本気モードで壮絶。
でも基本いい人対いい人の戦いなので怪我人は出るけど死人は出ません。
ソーとハルクがいないのはこの二人がいたら内戦くらいじゃすまないからでしょうね。

さて、今回からアベンジャーズに参戦したアントマン、スパイダーマン、ブラックパンサー。

アリさんとクモさんと豹さんなんですけど・・・笑、アリさんはお笑い担当ってとこでしょうか。
アイアンマンにはスル―されるし、戦いの中にも笑いがこみあげます。

クモさんは「白鯨との戦い」でも書きましたけど今回大抜擢の可愛い男の子です。
高校生って感じが本当にかわいい~。
ストーリーではトニー・スタークがニューヨークでヒーロー活動をしていた彼を自宅まで訪ねてスカウトしてきての参戦です。
実はスパイダーマンは映画化権の問題があっておなじマーベル原作でもアベンジャーズへの出演は今までは難しいかったのですが今回は交渉がうまくいって出演となったのです。めでたいです。

ブラックパンサーはウィーンでのテロで亡くなったワカンダ国王の息子、つまり戦う王子様なんです。
父を殺した憎きウィンター・ソルジャーに復讐するために黒い猫のようなスーツでいきなり出てくるんですけど、あんたそのスーツどこでこしらえたの?と思ったのは私だけ?得意技は引っ掻きのようです。

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最後の最後にキャプテン・アメリカとアイアンマンは和解か、と思わせての番狂わせ。
実はバッキーは他にも良からぬことを・・・という秘密が暴かれ、どんどんストーリーは複雑になっていきます。
過去の積年の恨みが彼らを苦しめるんですね~。

家族を殺されて復讐したいのは敵も味方も王子もみな同じってとこです。
アイアンマンが好きな私としては傷だらけで一人ぼっちのトニーがかわいそう・・・。
一方、アメリカという国名をも背負って立つ正義のヒーロー、キャプテン・アメリカはあちこちで今回もモテモテです。

映画が終わっても今回も明るくなるまで座っていてくださいね。
お決まりのおまけ映像は2回あります。
なので最後にスパイダーマンが再び出るまで座っていてね。★★★★☆

監督:アンソニー・ルッソ、ジョー・ルッソ

これ参考になるよ!

 


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レヴェナント 蘇えりし者 [映画【やらわ】]

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アメリカでは有名な実話で小説にも映画やTVドラマにもなった、ちっちゃい子でも知っているお話なのだそうです。

アメリカの西部開拓時代に生きた罠猟師、ヒュー・グラスにレオナルド・ディカプリオ。
見事アカデミー賞主演男優賞受賞です。

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復讐劇ではありますが、2時間半の映画、実は過酷なサバイバルシーンがほとんどです。

1823年・アメリカの北西部、極寒の荒野で狩猟をしては毛皮を採取するハンターチームはネイティブアメリカンのある種族に襲われ、船で川を渡り逃げだします。

弓矢で攻撃され大勢の犠牲者を出し、さらに執拗に命を狙われ追われるハンターチーム。

やがて船を捨て山越えで追手を避けて逃げますが、道に詳しいガイドのヒュー・グラス(レオナルド・ディカプリオ)がクマに出会い瀕死の重傷を負ってしまいます。

グラスの怪我をみて、もう長く生きられないと思った隊長のアンドリューヘンリー(ドーナル・グリーソン)は一緒に逃げるのは無理だと判断します。

グラスを死ぬまで見届け、手厚く埋葬もしてくれるなら報酬を出すと隊員に話すとグラスの息子のホーク(フォレスト・グッドラック)と若いジム・ブリッジャー(ウィル・ポールター)が一緒に残るといい、報酬金目当てでフィッツジェラルド(トム・ハーディ)が名乗りをあげます。

ハンターチームが去った後、フィッツジェラルドはまだ息があるグラスをさっさと殺して埋めようとしますがそれを止めに入った息子のホークを先に殺してしまいます。
息子が殺される様子を見ながらも身動きが出来ないグラス。
ホークを殺した後、グラスを土に生き埋めにしたフィッツジェラルドは、ブリッジャーを連れて逃げ出します。

置き去りにされたグラスは息子の復讐を誓い、土から這い出します。
やがて折れた足を引きずり這いながら極寒の地でフィッツジェラルドを追いかけはじめるのです。

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グラスはネイティブアメリカンの妻がいましたが、息子が小さい頃に白人に殺されるというシーンが何度も回想で出てきます。現在の息子は成長していてポスターに描かれているかわいい男の子は思い出のシーンの一コマでした。

グラスはクマに喉も食い破られるのでそれからはセリフも少なめ、背中も腹も傷だらけ。
クマはCGらしいのですがクマの息がカメラにかかって白くなるというシーンがあってその細かさに驚かされます。

クマに襲われるシーンはすごく怖くてけっこう長めです。
ついでにいうと毛皮の狩猟チームなので最初っから皮を剥がれた動物たちがごろんごろん出てきますのでこういう生々しいシーンが苦手な人は要注意の映画です。

土から這い出した後は荒野で食べものを探し、追手から極寒の川に逃げたり、丸太に掴まって流されたり、血が滴る動物の生肉に食らいつき、川から取った魚をそのまま丸かじりする・・・よくディカプリオもこの仕事うけたよね、ベジタリアンなんだってね・・・と思って口が半開きになって観てしまいました。
こりゃアカデミー賞主演主演男優賞もらわないと。

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この映画で監督のアレハンドロ・G・イニャリトゥ監督は昨年の「バードマン」に続き2年連続でアカデミー賞監督賞を受賞するという偉業を達成。2年連続なんて正直びっくりでした。

でも撮影賞のエマニュエル・ルベツキはなんと3年連続の受賞ですからね、もうものすごいスタッフ揃いの映画な訳です。

ルベツキは前回は継ぎ目がないような撮影スタイルで話題になりましたが、今回は厳しい氷の大自然の風景をみせてくれます。
空の色もなんともいえないくらい美しく、1日のうちに数時間しかないマジックアワーと呼ばれる黄昏時にこだわった結果とのこと。
撮影はカナダで行われたそうですが、こだわった撮影スタイルで長引いた結果雪がなくなって、季節が反対の南米に移動して撮影が続けられたので9か月もかかったのだといいます。

そしてその自然の前には絶えず苦痛で顔が歪むディカプリオのアップです。
レオは首を絞められ、水に沈められ、ナイフで刺され、クマに食われ、体中から血を流し、口からは泡を吹いてますからもう痛そうで寒そうで。
死んだ馬の内臓をナイフで取り出してその中に入り、馬の腹から顔を出す、この寒さから身を守るシーンは夢に出てきそうなインパクトです。

坂本龍一の音楽が苦しくなるくらい追い詰められた感で迫ってきて素晴らしかったです。
でももうこんな苦しい映画は2回は観たくないなというのが正直の感想です。 

白人たちのネイティブアメリカンたちに行った非情な歴史もしっかり描かれていて胸が痛みました。★★★★

 


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リップヴァンウィンクルの花嫁 [映画【やらわ】]

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岩井俊二監督作品で、BSスカパーで6話のストーリーと、それとは別の完結で映画、になっているそうです。
TV版の1話だけを無料放送で観たのですがとても不思議なお話。
ネットでなんでも買えちゃう時代。ネットで人がつながると思いたい時代。
映画も観てみたくなり映画館へ駆け込みました。今週の金曜までで終了しそうだったので・・・。

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黒木華さんってすごく綺麗な女優さんだけど、お姫様役より品のいいお手伝いさんのほうが似合うって感じがしますよね。
この映画は岩井監督が黒木さんのために書いた脚本のようですけど、後半メイド服で豪邸の掃除や家事をする黒木さん。
やっぱり監督もそう思うのかな。
あ、でもウエディングドレス姿も2回見せてくれます。

ストーリーは、2016年、派遣教師の七海(黒木華)はネットのお見合いサイトで知り合った鉄也(地曳豪) との結婚を決める。しかし彼に七海は小さな嘘をたくさんついている。

親が離婚していること、本当は仕事はクビになってしまったこと。
さらに結婚式で自分側の親戚の数を水増しするために、ネットで知り合った安室(綾野剛)という男に代理出席を頼んでいること。
その嘘はなぜかすべて鉄也の母親(原日出子)にばれており、さらに浮気の濡れ衣も着せられ、今までついていた嘘のせいで言い訳も出来ないまますぐに離婚となってしまう。

鉄也と住む家を追い出され、実家にも帰れず、仕事もない七海はどこにも行く当てがなく泊まっていた安ホテルで働きだす。
そこにまた安室からの電話がかかってくるのだった。

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七海が頼りにする安室という男、いい人そうで、そうでもない。

自称、俳優。そしてなんでも屋。
頼まれれば子供の相手もするし、結婚式の親戚の調達も、お金さえもらえば若い夫婦を離婚させる事もする・・・そう、七海の離婚も実は安室が鉄也の母から依頼されて行ったお仕事の一つ。

子離れしていない鉄也の母は七海の事が嫌いで罠をしかけて離婚させたのだけど、安室は自分が仕掛け人だということは言わず彼女を心配するかの如くつかず離れずフォローしていく。
(なんで鉄也の母の依頼も七海の依頼も都合よく全部安室が請け負うのかっていうのが無理がある設定の様な気もする。)

安室の仕事っぷりはそつがなく、きめ細やかで、悪事は悟られず、七海にはその後お弁当を差し入れしたり、仕事を紹介したり。
七海のことが好きなのかと思ってみてたら、実は危険な仕事をやらせていたり。
嫌な奴だとは思っていたけど最後にはあきれ果ててしまいます。
そんなあやしい男に綾野剛さんは本当にぴったり。

中盤、安室の依頼で自分の結婚式でも頼んだ代理出席、結婚式の親戚役のバイトを引き受けることになる七海。
「この結婚式の新郎さ、実は妻帯者なんだって」と、とんでも情報をそっと教えてくれる姉役の里中真白(Cocco)。

真白との出会いで七海の運命はまた変わっていく、というより別の世界に連れていかれてしまうんですが、真白の母役があのシンガーソングライターのりりィだったなんてエンドロールで知ってこれまたびっくりでした。
りりィさんって私が知らないだけで実はたくさんドラマや映画にも出演されてたんですね。

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で、タイトルの「リップヴァンウインクル」って何のこと?
映画館のカウンターで間違えずに言えるのかドキドキしちゃいましたよ。

岩井監督の家のご近所にあるアパレルメーカーの名前から取ったそうですけど、その元々は19世紀に発表された短編小説のタイトルでもありその小説の主人公の名前でもあるのだそう。そうか、人の名前だったのか、ってなっとく。

小人に森の奥に誘われて酒を飲み、やがて眠ってしまったリップ・ヴァン・ウインクルという男。
目が覚めたら20年の時間が経ってしまっていたというアメリカ版浦島太郎のようなお話。

映画『野獣死すべし』で松田優作さんが刑事の室田日出夫さんに銃を突きつける時にこのお話しをしたとかで優作ファンには有名なんだそうです。(松田優作は目をぐわって見開いて話してるから超怖い。)
時代遅れの人、眠ってばかりいる人という意味もあるようですね。

Cocco演じる真白と共に都会の豪邸という竜宮城に迷い込んでいく七海。
七海は毒を持つ魚がうようよの竜宮城から無事に現在に戻れるのでしょうか。

この映画、かなり長い、3時間です。
七海の生徒の女子高生も、鉄也の母も、一見優しそうに見えて実は意地悪な人がたくさん出てきます。
主人公があまりにふわふわしてて人を疑うことを知らない人なのでAVに売られちゃうんじゃないか、殺されちゃうんじゃないかと最後まで心配でしょうがなかったですね。
でも予想がつかない展開が面白かったです。TV版も続きがみたいなあ。 ★★★★


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